研究課題/領域番号 |
19K22446
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 久義 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (40250104)
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研究分担者 |
森 稔幸 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (00462739)
関本 弘之 日本女子大学, 理学部, 教授 (20281652)
三角 修己 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (90583625)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 進化 / 雌雄性 / 性 / GCS1 / 緑藻ボルボックス系列 / ミカヅキモ / マラリア原虫 / 紅藻シゾン / MID / メス / オス / 真核生物 / 雌雄性の起源 / 性決定遺伝子 / 配偶子融合因子 / GCS1/HAP2 / 生物多様性 / 真核生物起源 / 多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
性は20億年前の共通の起源に始まり、その後の雌雄性の未分化な同型配偶の交配型から「メスとオス」への進化は真核生物内部の多岐に渡る平行進化なので、「メス」と「オス」は統一的に定義できないと解釈される。しかし、2006年に研究分担者の森らが発見した配偶子融合因子GCS1は真核生物の多岐に渡る系統でオス側に機能の保存性がある。従って、様々な祖先的な真核生物を用いて、オスを決定していると思われる性決定遺伝子等とGCS1に関連した遺伝子制御系並びにこれらの多様性を明らかにしてゆけば、「性の原型」に基づく真核生物に普遍的であり根源的な「新たなるメスとオスの概念」を創出できると考えて、本研究は提案された。
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研究成果の概要 |
緑藻ボルボックス系列プレオドリナの両性型の株ではMID/OTOKOGIとGCS1の発現増大がオス配偶子を誘導し、発現抑制がメス配偶子を誘導することが推測された。これは真核生物に共通する特性であり、両性型の生物でも認められたことになる。陸上植物系統のヒメミカヅキモにおける性決定遺伝子CpMinus1については効率的な形質転換法を確立し、ChIP解のためのタグ付きタンパク質の発現を試みた。マラリア原虫における生殖細胞分化因子のエピジェティック制御機構研究に着手した。紅藻シゾンを窒素飢餓で培養すると減数分裂に関わるMind1、Spo11ホモログの転写が増加し、単細胞紅藻の性の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題は「メス」と「オス」が同型配偶の原始的な性からそれぞれの真核生物の系統で「基本的に同じ原理」で進化したという作業仮説(図1)に基づく。この仮説が正しければ真核生物の根本原理に立脚した「新しいメスとオスの概念」が創出できると確信し、開始したが、オスとGCS1と転写型性決定遺伝子の普遍的な関係は緑色植物では明らかになった。更に今後、扱う生物によって細分化されていた性関連の学問体系を大きく統合・変革させ、「新しいメスとオスの概念」によって統一的に「性 (sex)」を扱う新体系に発展すると期待される。
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