研究課題/領域番号 |
19K22458
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
細川 貴弘 九州大学, 理学研究院, 准教授 (80722206)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 必須共生細菌の種内多型 / カメムシ / 共生細菌の置換 / 南西諸島 / ゲノム縮小 / 野外集団 / 共生細菌の種内多型 / ゲノム比較 / 共生微生物の置換 / 共生微生物の種内多型 / 共生 / 細菌 / 相利共生 |
研究開始時の研究の概要 |
共生微生物なしでは成長や繁殖ができない昆虫は多い。共生微生物におけるゲノム進化と多様化のメカニズムとして、「弱有害突然変異の蓄積・ゲノムサイズの縮小」と「置換」がそれぞれ知られている。しかしこれまでの知見は分子進化解析・ゲノム解析・分子系統解析からの推測であり、野外集団の追跡調査による直接的な証拠はなかった。本研究では、10年前に調査したチャバネアオカメムシの野外集団について再調査をおこなうことによって、共生微生物におけるゲノム進化と多様化を野外集団で実証することを試みる。
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研究成果の概要 |
生物の進化を野外集団で観察できた例はいまだ少ない。本研究課題は昆虫の共生細菌の置換とゲノム縮小に注目し、その進化過程を野外集団観察することを目的としておこなった。チャバネアオカメムシの南西諸島集団を対象に過去(2008年~2010年)に共生細菌頻度の大規模調査をおこなっており、これと比較できるデータを本研究の調査(2019年~2021年)で得ることができた。共生細菌頻度については予想通り共生細菌Bを持つ個体が減少していたことから、共生細菌の置換は進行している可能性が考えられたが、今後さらに調査を継続して動向を見守る必要がある。加えて、今後の調査で比較対象となる共生細菌のゲノムサンプルを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昆虫類の共生細菌の研究は実験室内における遺伝子レベルの研究に偏っており、野外で起きていることを対象にした研究は世界的に見ても稀であることから、昆虫の野外集団で共生細菌進化を調べた本研究の成果は極めてオリジナリティーの高く、注目を集めるものである。また、日本の南西諸島において非常にユニークな現象が起きていることを明らかにした点で、我が国の誇る南西諸島の生物多様性とその重要性をあらためてアピールする研究成果でもある。
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