研究課題/領域番号 |
19K22463
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
石川 尚人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 副主任研究員 (80609389)
|
研究分担者 |
菅 寿美 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学プログラム), 准研究副主任 (80392942)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | クロロフィル / 再利用 / 爆弾炭素 / 植物標本 / タイムマシン |
研究開始時の研究の概要 |
陸上植物は大気CO2だけでなく、土壌から取り込んだ炭素を材料に、複雑な有機物を合成している可能性が示されている。そこで本研究は、代表的な光合成色素であるクロロフィル a の生合成材料として、土壌炭素がどれくらい重要かを明らかにすることを目的とする。将来的には、植物が合成する他の化合物も含めて、土壌炭素が合計でどれくらい「リサイクル」されているか、という革新的な見積もりへとつながっていくことが期待される。
|
研究成果の概要 |
本研究は、葉の標本からクロロフィル a を単離・精製し、その放射性炭素濃度(Δ14C)を測定することで、クロロフィル a の材料として土壌炭素がどれくらい重要かを明らかにする。そのために、スイスで採集されたブナ科コナラ属の葉の博物標本を入手した。このうち1952年、1963年、1965年、1966年、1973年、1982年、1995年、2007年の試料を、葉全体のΔ14Cとクロロフィル a (フェオフィチン a として処理) のΔ14Cの分析用に供した。葉全体のΔ14C分析は完了し、今後フェオフィチン a のΔ14C分析結果をまとめて、論文として発表する予定である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物にクロロフィル a はわずか(μg / g オーダー)しか含まれておらず、それらのΔ14C分析を行うのは極めて困難である。したがって、高度な実験技術を駆使した信頼性の高い世界初のデータを取得すること自体、現時点では挑戦的かつ先駆的である。葉の博物標本と分子レベルのΔ14C分析を組み合わせ、大気CO2以外の炭素起源を特定する、という斬新なアイディアは応募者ら独自のものであり、本研究の萌芽的な成果は、将来のブレイクスルーの下地になることが期待される。
|