研究課題/領域番号 |
19K22472
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上山 健彦 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 教授 (80346254)
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研究分担者 |
坂口 博史 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 研究員 (00515223)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 視聴覚 / 活性酸素 / 聴覚 / 視覚 / 左右差 |
研究開始時の研究の概要 |
脳機能の局在は、系統発生と個体発生の両面から獲得された仕組みと考えられるが、謎が多い。脳は形態的には左右対称であるのに、「優位・劣位半球」という機能的極性が存在する。この 極性を獲得する機序として、脳への情報のインプット、即ち、感覚受容器には元来 【左右差】 が備わっており、結果として脳機能極性を創り出す可能性がある。又、感覚受容の 【左右差】が、疾患の発症の「基盤」となっている可能性がある。 本研究では、視・聴覚の【左右差】及びそれを生み出す原因として活性酸素種に注目し、【左右差】の存在と疾患における役割を実証し、種々の疾患の発症・進行機序を解明する上での新たな基盤・概念の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
蝸牛及び網膜での活性酸素産生能力を経時的に(生後2週間から1年まで)観察した。 蝸牛及び網膜での活性酸素産生能力は2~6か月齢で最大となり、その後はプラトーになることを発見した。更に、蝸牛及び網膜での活性酸素産生能力は、加齢や聴力及び視力に対して毒性を有する抗癌剤であるシスプラチンによって増強されることを明らかにした。この際に、蝸牛では外有毛細胞が、網膜では視神経節細胞が脱落することを突きとめた。これらの発見は、活性酸素により起こる疾患が、ヒトでは壮年期に最も起こり易いのではないかということを示唆するものであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感覚疾患は、近年増加傾向であり、この増加は今後も続くことが予測されている。しかしながら、有効な治療法が存在しない疾患が多いのが現状であり、その病因解明及び治療法開発が求められている。。本研究は、活性酸素によって起こることが示唆されている疾患(特に、視聴覚疾患)の発症時期及び発症機序の解明に大きなブレークスルーを起こす可能性があり、更には、原因不明の視聴覚疾患の新規治療法開発に繋がって行くものである。
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