研究課題/領域番号 |
19K22475
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
尾仲 達史 自治医科大学, 医学部, 教授 (90177254)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 愛着様行動 / 羨望 / 社会的報酬 / 超音波発声 / オキシトシン受容体 / 条件付け場所嗜好性試験 / 接触刺激 / 発声 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは、他個体が自分よりもいい思いをしているときに羨望を感じ不快に思う。この社会的感情は、不平等嫌悪に関わる感情の一つと考えられる。また、自分と特別な絆関係にあるヒトが別のヒトに愛情を注ぐのを見ると嫉妬を感じる。不平等を嫌い公平性を好む羨望感情、さらに特定の相手との排他的な関係性を求める嫉妬感情は、社会的規範・道徳性の起源に繋がる感情と考えられる。こういった感情がどの程度生得的で生物学的基盤をもつのか明らかでない。本研究は、ペット化したラットを用いた動物実験モデルを構築しその神経回路の解明に繋げる。
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研究成果の概要 |
ラットを幼若期から繰返し撫でることで、ラットが撫でたヒトを区別して追随するといったペット様行動をとる。この動物モデルを利用し、馴れた実験者を社会的報酬として、社会的報酬の不平等をラットが識別できるか検討した。目の前で他個体のみを撫でるという社会的報酬の不平等をラットは識別し、特殊な超音波発声を行った。オキシトシン受容体の阻害実験により、愛着行動の発現にオキシトシン受容体は必須ではないことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不平等を嫌う感情や特定の相手との排他的関係を求める嫉妬感情は社会的規範・道徳性の起源に繋がる感情と考えられ、社会を構築するのに基盤的な社会的情動である。しかし、羨望・嫉妬の感情がどの程度生得的で生物学的基盤をもつものなのか、あるいは、社会的文化的に形成されるものかは分かっていなかった。本研究により集団生活を行う齧歯動物において社会的報酬の不平等を識別することが明らかとなり、その生物学的基盤を探求する道が開けた。
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