研究課題/領域番号 |
19K22488
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
玉村 啓和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (80217182)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | タンパク質リン酸化酵素C / HIV潜伏感染再活性化作用 / kick and kill / ジアシルグリセロールーラクトン / 蛍光共鳴エネルギー移動 / プロテアーゼ阻害剤 / conjugate化合物 / 潜伏感染再活性作用 / HIV / エイズ / タンパク質リン酸化酵素 / コンジュゲート / DAG-lactone / 潜伏感染細胞 / 再活性化 / 抗HIV剤 / kick & kill / PKC / ハイブリッド分子 |
研究開始時の研究の概要 |
HIVの発見から30年以上が経過した現在、エイズの治療は飛躍的に進歩した。しかし、いずれの抗ウイルス療法をもってしても完治には至らない。根治できない原因として、HIV潜伏感染細胞の存在があげられる。申請者は、ジアシルグリセロールの環化誘導体であるDAG-lactoneが高いPKC活性化作用を有することを見出している。そこで、DAG-lactone誘導体と各種抗HIV剤との併用を検討したところ、潜伏感染細胞の活性化と抗ウイルス作用の併用効果(Kick & Kill)が見られた。本研究で、PKC活性化剤と抗HIV剤のハイブリッド分子を創製し、潜伏感染細胞内で2剤が解離し、ブロックすることを考えた。
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研究成果の概要 |
タンパク質リン酸化酵素C(PKC)活性化剤であり、HIV潜伏感染再活性化作用(Kick作用)を有するジアシルグリセロールーラクトン誘導体(DAG-lactone)等を合成した。また、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を基盤としたPKC結合活性の簡便な評価法を確立した。この評価法を活用し、新規の有用なKick作用を有するPKC活性化剤を創出した。 さらに、DAG-lactone誘導体とプロテアーゼ阻害剤ritonavirのconjugate化合物を創製した。これは、薬物が到達した細胞内でKick作用によりHIVを産生させ、その場でプロテアーゼ阻害剤により死滅させる次世代の治療薬候補品である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の抗ウイルス療法では感染者の体内からHIVが完全に排除されることはなく、潜伏感染細胞の存在が問題である。このような状況下、HIV感染者がもつ潜伏感染細胞を活性化させて治療する方法(Kick & Kill)が治癒を目指す治療法として期待されている。そこで、申請者の開発したDAG-lactone誘導体は腫瘍プロモーター活性を持たないPKC活性化剤であり、これを用いて、潜伏感染細胞からHIVを再活性化し(Kick)、抗HIV剤で新規感染を阻害する(Kill)ことは合理的である。さらに、ハイブリッド分子は、PKC活性化剤と抗HIV剤が同一細胞に作用するので学術的及び社会的意義が高い。 。
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