研究課題/領域番号 |
19K22489
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
国嶋 崇隆 金沢大学, 薬学系, 教授 (10214975)
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研究分担者 |
藤田 光 金沢大学, 薬学系, 助教 (40782850)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | カルボカチオン / 一分子脱離反応 / アルキル化反応 / トリアジン及び誘導体 / カチオン発生法 / カチオン安定化 / アルキル化 / SN1反応 / 脱離基 / アルコール / 一分子求核置換反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請課題では、高活性な化学反応種の中でも最も制御が困難な、炭素陽イオン(カルボカチオン)に焦点をあて、その反応を制御し、創薬科学や生命科学への応用・展開を目指す。 カルボカチオンはカルバニオンと並んで、有機化学を学んだ者なら誰もが知っている炭素反応種である。カルバニオンの化学が大きく発展し、広く実用化されてきたこととは対照的に、カルボカチオンの化学は1900年初頭の文献記載の内容からほとんど進歩していない。そこで、カルボカチオンの温和な新規発生法と、生じたカチオン種を安定に保存・利用するための全く新しい方法論の確立をめざす。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、炭素活性種の中で有機合成上の制御がもっとも困難なカルボカチオンに焦点をあて、その発生法と安定化法の開発を行った。その結果、効果的な脱離基を設計することにより、極めて温和な条件下での1分子脱離機構に基づくカルボカチオン種の発生法の開発に成功した。また、生じたカチオン種に対して可逆的に配位し、これを安定化する捕捉剤を開発し、捕捉溶液を一定時間保存後に求核剤との反応が進行することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機合成化学において、カルバニオン、ラジカル、カルベノイドなどが様々に用いられていることと比べて、同じ活性炭素反応種のカルボカチオンは特に制御が難しいため、その実用性は高いとは言い難い。本研究成果は、このカルボカチオンの発生と安定性を制御するための新たな方法論を提唱・確立する点で高い学術的意義があると同時に、これによりカルボカチオンの特長を活かした新たな活用が可能となり、医薬品開発をはじめ有機合成を基盤とする様々な研究や産業の発展を通した社会貢献が期待される。
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