研究課題/領域番号 |
19K22514
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原田 彰宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40251441)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞極性 / 脱核 / 上皮細胞 / 赤芽球 / EHBP1L1 / Rab8 / Rab10 / T細胞 / 小腸 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞は極性を持つが、上皮細胞以外の細胞の極性の分子機構は上皮細胞のそれは共通であろうか?そのような「細胞極性の分子機構の細胞種間における普遍性」は想定されてはきたが、根拠が乏しかった。 我々はRab8、EHBP1L1、CD2APの、各組織での量、細胞内局在、ノックアウトマウスの解析から、小腸上皮細胞の極性機構は赤芽球、T細胞、腎臓足細胞の極性形成機構と共通性があるが、腎臓尿細管上皮細胞の極性機構とは異なる可能性を提示する。 我々はここでその共通機構を「Rab8依存性極性機構」と呼び、小腸の上皮細胞など、多種の細胞における極性の形成や維持に普遍的に働くことを実証することを本研究の目的とする。
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研究成果の概要 |
我々はRab8やRab8結合タンパク質の各組織での解析から、小腸上皮細胞の極性機構は赤芽球、T細胞、腎足細胞の極性形成機構と共通性があるが、腎尿細管上皮細胞の極性機構とは異なる可能性があることを示した。その機構「Rab8依存性極性機構」が小腸の上皮細胞など上記の細胞種における極性の形成や維持に普遍的に働くことを示す以下の結果を得た。1.Rab8,10がこれらの細胞で発現が高い。2.Rab8やその結合タンパク質が細胞のリサイクリングエンドソーム(RE)に共局在する。3.赤芽球でこれらをノックダウンすると脱核効率が低下した。 これらのデータをまとめて論文発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞極性の形成維持機構が上皮細胞の極性のみならず、赤芽球や骨格筋の核の極性移動にも関与していることが明らかになったことで、極性には共通の分子機構があることが初めて明らかになった。これは細胞極性の分子機構の共通性を初めて示したことで学術的意義は高い。また、Rab8/10結合タンパク質EHBP1L1のノックアウトマウスやRab10のノックダウンによって赤芽球の脱核効率が低下することからEHBP1L1やRab10が脱核に重要であることが明らかとなった。この研究からEHBP1L1、Rab10のagonistが脱核効率を上げて赤血球産生を促進できる可能性が判明し社会的な意義も大きい。
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