研究課題/領域番号 |
19K22515
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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研究分担者 |
宮本 達雄 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40452627)
阿久津 シルビア夏子 (AkutsuSilviaNatsuko) 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10822299)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 染色体 / 異数性 / 細胞競合 / モザイク |
研究開始時の研究の概要 |
モザイク・トリソミーは、トリソミーの受精卵が、卵割の過程で一部の細胞において余剰染色体が排除され正常核型となる「トリソミーレスキュー」が生じることに起因する。一般的にモザイク・トリソミーの表現型は、正常核型細胞のモザイク率が高いほど軽いと考えられている。モザイク率は、発生組織や時期によって方向性をもって変動する現象が報告されており、正常核型細胞とトリソミー細胞との競合が臨床像を決定する機構の存在が示唆される。しかしその本質的な問題は未解決である。そこで本研究では、細胞増殖相と分化相における正常核型細胞と異数性細胞との細胞競合の実体を明らかにすることを研究目的としている。
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研究成果の概要 |
モザイク状トリソミーのモザイク率は発生する組織によって変動することが知られているが、そのメカニズムは明らかにされていない。今回、遺伝的背景を一致させた21トリソミーiPS細胞クローンとダイソミー iPS細胞に、それぞれ異なる蛍光色素遺伝子を1コピーずつノックインして、細胞競合について検討した。その結果、正常核型とトリソミー細胞間の細胞競合は、細胞分化後の機能的優劣ではなく、増殖能の違いを反映している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
着床前の初期胚では、細胞から異常染色体が排除されて正常核型へと自己修正される現象が知られており、染色体を次世代に正しく伝える生体メカニズムの一つと考えられている。本研究では、iPS細胞をモデルとして染色体の自己修正メカニズムの解明を試みた。本研究テーマは、胎児発育不全の原因となる胎盤限局性モザイクの発症や、片親性ダイソミーの発症、体外受精などの生殖補助医療とも深く関係していることから、ヒト疾患の発症機序の解明に寄与することが期待される。
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