研究課題/領域番号 |
19K22530
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
朝長 啓造 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (10301920)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ボルナウイルス / ウイルスベクター / ADAR / Cas13 / ADRA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、脳内に送達させたボルナ病ウイルス(BoDV)ベクターのゲノムに自己編集を誘導させることで、伝播能力や複製能力を欠損した安全性の高いウイルスベクターに生体内で進化させる新技術の開発を行うものである。BoDVベクターは、中枢神経系疾患の遺伝子治療に安全かつ長期間適用できるわが国発のRNAウイルスベクターである。BoDVベクターの実用化を加速するために、自己編集型ベクターの開発を行い安全性を高める必要があると考えられる。本研究は、RNA編集酵素を利用することで自己編集型のウイルスベクターの作製を試みる。本研究は新たなウイルスベクタ―の実用化を目指した斬新かつチャレンジングな研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、中枢神経系に高い指向性を持つボルナ病ウイルス(BoDV)ベクターを非侵襲的に脳内へと導入し、その後、BoDVベクターが自らの伝播能力あるいは複製能力を欠損させる自己編集型RNAウイルスベクターの構築を行うことを目的としている。研究期間内に、開発済みのBoDVベクターを基盤として、RNA編集酵素であるADAR2とCas13を利用した自己編集型ベクターの基礎実験を行うとともに、Casを発現するBoDVベクターの構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BoDVベクターは、遺伝子治療に使われているレンチウイルスやアデノ随伴ウイルスに由来する既存のウイルスベクターに比べ、細胞傷害性が低く、ゲノム毒性を示すこともなく、分裂細胞にも外来遺伝子を持続的に発現することができる。また、鼻腔より非侵襲的に脳への送達が可能なことである。生体内で自らのゲノムや遺伝子発現を編集する新しい自己編集型BoDVベクターの作製により、中枢神経系に導入したBoDVベクターの安全性と利便性がさらに高めることが可能となり、遺伝子細胞治療への応用が加速されると考えられる。
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