研究課題
挑戦的研究(萌芽)
疾患特異的スーパーエンハンサー(SE)の同定や構造解析は、エピジェネティクス研究のみならず、SEを治療標的とする上でも重要である。本研究は、クロマチン免疫沈降塩基配列決定法(ChIPseq)で鍵となる変性架橋蛋白質に対するモノクローナル抗体の確立を通じてDNA蛋白質複合体の抽出やDNA断片化の至適化を進め、ホルマリン固定パラフィン(FFPE)検体での高感度ChIPseq法を開発し疾患特異的SEを同定するものである。本法の確立は、疾患について詳細な臨床情報や病理診断があり、また膨大な蓄積がある病理FFPE検体を用いるため、疾患特異的SEの同定やそれに基づくバイオマーカーの探索が可能となる。
疾患関連遺伝子は、スーパーエンハンサー(SE)と呼ばれる強力なエンハンサーの影響下で、疾患特異的にその発現が制御されている。このSE解析に必須であるクロマチン免疫沈降塩基配列決定法(ChIPseq)をホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織の病理検体に応用すべく、変性蛋白質を高親和性で認識しうるモノクローナル抗体の作成を通じた高感度ChIPseq法の開発を行い、さらに本法を用いた神経変性疾患、代謝性疾患、感染症、がんにおける疾患特異的なSEとその形成機構を解析した。
疾患特異的SE解析はSEを治療標的とする上で重要である。SE解析は、生細胞で行われFFPE検体を用いた解析は、2010年にFanelli、2016年にCejasが新法を開発したが、その後の報告はなく汎用性の面で新法が必要と考えた。そこで変性SE構成分子に対する新規MoAbが必須と考え、変性架橋蛋白質に対するMoAbの確立を突破口として、DNA蛋白質複合体の抽出やDNA断片化の至適化を進めることでFFPE高感度ChIPseq法の開発を行った。本法は疾患の詳細な臨床情報や病理診断があり、膨大な蓄積がある病理FFPE検体を用いた疾患特異的SEの同定やそれに基づくバイオマーカーの探索に有用と考える。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件)
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