研究課題/領域番号 |
19K22572
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
高木 聡 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター 基礎研究部, 研究員 (20582240)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 腫瘍微小環境 / 血小板 / PDPN / がん微小環境 / 免疫チェックポイント阻害剤 / ICI / 腫瘍免疫 / 免疫チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は、進行がんにも劇的な抗腫瘍効果をもたらす一方で効果が期待される患者は限定的であり、治療応答性の規定因子の解明が喫緊の課題である。申請者は、あるがん腫では腫瘍内部に血小板が侵入し、がん細胞の増殖や上皮間葉転換などに寄与することを報告してきた。本研究では、腫瘍内血小板ががん免疫微小環境に与える影響を解析し、ICI治療効果との相関性の有無などについて解析する。本研究遂行により、これまでほとんど注目されてこなかった腫瘍内血小板によるがん免疫微小環境の制御機構が解明され、その制御原理に基づく新規がん治療法の開発が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、腫瘍内血小板が抗腫瘍免疫応答に与える影響を明らかにし、免疫チェックポイント阻害剤の治療応答性の改善に繋がる分子や経路を提示することを目的とした。その結果、がん細胞における血小板活性分子PDPNの発現亢進により、腫瘍内部の免疫細胞の存在比が変化することや、免疫細胞の遊走に寄与するケモカインの発現変動が生じることが明らかになった。本研究成果から、ある種のケモカイン分子の機能制御により抗腫瘍免疫の活性化を誘導することができる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血小板は、核こそないもののRNAを豊富に内包し、エクソソーム様小胞の放出と吸収を行うなど、止血応答のみならず生理的に多様な役割を持つ機能性膜分子である一方で、その小ささ故に解析が困難であることなどの理由から、腫瘍微小環境における役割は不明なままであった。本研究の遂行により、腫瘍内部の血小板が腫瘍微小環境を制御するその機序の一端を解明することができ、将来的には、免疫チェックポイント阻害剤の治療応答性の改善にも繋がり得る成果を提示することができた。
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