研究課題/領域番号 |
19K22589
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福土 審 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80199249)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 過敏性腸症候群 / 中枢ネットワーク / ゲノム / メタゲノム / メタボローム |
研究開始時の研究の概要 |
過敏性腸症候群は代表的なストレス関連疾患であり、脳腸相関の病態生理を呈する重要疾患である。その主要病態をゲノムワイド関連解析、メタゲノム解析、メタボローム解析、ならびに脳機能画像を組み合わせて明らかにする。中枢ネットワークのゲノム・メタゲノム・メタボローム依存性解析により、過敏性腸症候群を発症・継続させる因子を同定する。中枢ネットワークがゲノム、腸内細菌、代謝物質によって健常から異常に変化するところを描出するため、挑戦的研究としての意義が大きい。このような研究はこれまでに実施されておらず、旧来のストレス関連疾患の概念を人間を対象として直接、根本的に変える潜在力を持つ。
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研究成果の概要 |
ストレス関連疾患の病態が科学的に解明され、その克服の方法が開発されれば、社会的な意義が大きい。その解決のためには、典型的な病態に焦点を当て、それを解明する効率的な戦略を取るべきである。過敏性腸症候群患者を対象とし、病態生理学的過程の詳細を、ゲノム分析、メタゲノム解析、メタボローム解析、ならびに脳機能画像を組み合わせて明らかにすることを試みた。中枢ネットワークのゲノム・メタゲノム・メタボローム依存性解析により、過敏性腸症候群を発症・継続させる有力因子が同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
過敏性腸症候群では腸内細菌と脳画像がともに健常者と異なっていた。内臓刺激に対する視床下部-下垂体-副腎皮質反応がCRH負荷試験の反応性と並行すること、内臓感覚がストレス応答を左右すること、内臓刺激に対する反応の抑制は不安感受性の高さに関係することが明らかとなった。内臓刺激に対する内臓感覚・不安が背外側前頭前野、特に右側で処理されることが示された。過敏性腸症候群患者においては、腸内細菌が健常者と異なり、症状の悪化時に腸内細菌と代謝産物、神経伝達物質が動的に変化した。過敏性腸症候群の病態から得られた結果は、ストレス関連疾患全般に拡張することが可能であり、科学的・社会的意義が大きいと考えている。
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