研究課題/領域番号 |
19K22594
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 康二 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80235340)
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研究分担者 |
植木 孝俊 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60317328)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 成体脳神経新生 / 精神疾患 / PET / PETトレーサー / 精神神経疾患 / 神経幹細胞 / CD133 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ヒトでのPETイメージングの実現を見据え、成体脳神経新生の動態を画像化するためのPETトレーサーを創製することである。ここでは、神経幹細胞がCD133を特異的に発現することに着目し、CD133結合能により受容体様タンパク質結合化合物ライブラリーからFCSを用いスクリーニングしたCD133高親和性化合物について、in vitro血液脳関門モデルの血管内皮細胞培養系を調製し、その血液脳関門透過性を評価する。次に、[11C]ポジトロン標識を施し、それをラット及びコモンマーモセットに注射投与した後にPETカメラで、脳内移行性や脳クリアランスなどの化合物分子特性を評価、解析する。
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研究成果の概要 |
成体脳神経新生は、近年、その障害が、うつ病や統合失調症などの精神疾患の病態生理に与ることが示唆されており、早期診断への有用性に鑑み、その動態をin vivoで画像化する技術の開発が俟たれていたが、これまでに神経幹細胞の動態をin vivoで描出するためのPETなどの技術はなかった。ここでは、神経幹細胞上の受容体様膜タンパク質CD133に特異的に結合する化合物による成体脳神経新生のPETイメージング技術を創出した。また、うつ病モデルマウスにて同トレーサーによるPETイメージングを実施し、その神経幹細胞障害をin vivoでリアルタイムに観察、定量的に評価することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、精神神経疾患の脳病態と、成体脳神経新生動態の連関の詳細は不明であった。しかし最近、症状の進行や併発する痴呆症の病因に、成体脳における神経新生が関与していると考えられるようになった。こうした経緯を踏まえ、精神神経疾患における成体脳神経新生動態を探る機運が高まり、in vivoで成体脳神経新生をイメージングする技術の開発が俟たれていた。精神神経疾患において神経新生動態をin vivoで観察することにより、疾患の病態と成体脳神経新生動態の連関を緻密に解析することができると共に、精神神経疾患の治療に向けた新規の神経幹細胞を標的とする幹細胞治療の開発のための基礎的な知見が得られると考えられる。
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