配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず、非アルファ放出核種であるBaやMo,Cu,Ge,等を用いて電子線による医療用放射性同位体の生成断面積等を実験及びシミュレーション両面から検討を行いう。また、これらの核データ取得から得られるパラメータをもとに、ウラン系列の放射性廃棄物として多量に存在するラジウム-226(Ra-226)を、高エネルギーガンマ線を用いて前立腺がん等の核医学治療に有効なAc-225の製造の基礎検討を行う[Ra-226(γ,n)Ra-225→β壊変→Ac-225]。さらに将来的に有用とされるDDS を目指したRIナノコンテナなどへの応用を探ることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の最終年度ではアルファ線源内療法に用いるAc-225をRa-226から容易に製造する手法の開発を試みた。結果は55th Annual Conference of the Society of Nuclear Medicine (SNMICON)において発表した。また、線源をC70やC82フラーレンへ内包させたナノコンテナの応用も含めて、この生成過程の知見を得る準備・計画を進めた。関連する核データの実験では、Be-7などの原子番号の小さな放射性同位元素の半減期を測定し、ウランなどの巨大共鳴に伴う核分裂の断面積を取得した。 本研究では計画全体として放射性核種のMo,Cu,Ge,Ce,Au等を用いて電子線や荷電粒子などの加速器による医療用放射性同位体の生成断面積を実験及びシミュレーション両面から検討を行った。また、ウラン系列の放射性廃棄物として多量に存在するRa-226を用いて、前立腺がん等の核医学治療に有効なAc-225の製造の基礎検討を行った。また、将来的に有用とされる様々な放射性同位体を用いたDDS(Drug Delivery System)を目指した放射性核種を伴ったRIナノコンテナ(C60,C70)などへの応用を探る基礎的実験も行った。放射性核種Mo-99,Cu-67,Ge-68,Au-194などの製造利用も検討した。電子線による医療用放射性同位体の製造を電子線加速器ばかりでなく原子炉まで拡張して生成断面積の取得を目指した。新しい製造手法が開発されれば国内はもとより世界でもより安価に核医療施設に提供できる可能性がある。本研究では、当初の研究として電子線加速器を用いたMo-99やCu-67の製造ばかりでなくSc-47,Ga-68,Rh-105,Lu-177,Re-188他を製造する実践的な研究を行った。結果はIFの高い国際氏誌に掲載された。
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