研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、NMD阻害による遺伝性疾患治療の可能性について細胞、個体レベルで検討・検証することを目的とする。初期対象疾患として、嚢胞性線維症患者由来細胞を用い、独自のSMG1阻害剤、リドスルー剤、CFTR安定化剤(VX-770)による遺伝性疾患治療のin vitroレベルでのPOCを取得する。同時に、独自に樹立した嚢胞性線維症モデルマウスを用いて、リドスルー剤、CFTR安定化剤(VX-770)、SMG1阻害剤投与による遺伝性疾患治療のin vivoレベルでのPOCを取得する。これらの解析により、希少遺伝性疾患治療のin vitro、in vivoレベルでのPOCを取得し研究を加速させる。
遺伝性疾患における変異のうち、約三分の一において異常な終止コドンを生じる。この変異遺伝子由来mRNAは品質管理機構であるNMDにより分解排除される。この異常終止コドンを有するmRNA由来のタンパク質が機能を有する症例由来の細胞では、mRNA監視機構阻害は細胞機能回復へつながる。本研究では、独自に樹立した嚢胞性線維症疾患モデルマウス (mCFTR_W1278X)を用いたmRNA監視機構阻害による治療の可能性について検討を行うべく研究を行った。マウスモデルによる解析は、繁殖の失敗により成果が得られなかった。一方で、既存薬からmRNA監視機構を抑制する化合物の同定に成功した。
本研究で得られた、複数のmRNA監視機構を阻害する臨床薬は、これまで、NMDとの関わりがわかっていなかった化合物であり、培養細胞レベルではあるが、新たなNMD阻害法の発見となった。このmRNA監視機構阻害法は、臨床で用いられる薬剤による物であるため、安全性などの情報が得られている。今後、動物モデルを用いたmRNA監視機構抑制の検証後、早期に人における応用へつなげられる事が期待される。
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