研究課題/領域番号 |
19K22601
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
山下 暁朗 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (20405020)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | mRNA翻訳 / mRNA分解 / 嚢胞性線維症 / ナンセンス変異 |
研究実績の概要 |
本研究開発提案では、独自に樹立した高感度・高精度のmRNA 監視機構(Nonsense-mediated mRNA decay (NMD))評価システムの改良を行い、新規化合物のスクリーニング・バリデーションを行う。同時に、得られたリード化合物による希少遺伝性疾患治療のin vitro レベルでのPOC(概念実証)を取得し、開発を加速させるものであった。 1)NMD活性ハイスループットスクリーニングレポーターシステム樹立について、本年度はHibit-GFP型のNMD感受性レポーターベクターを作成した。今後、安定発現株を樹立し、CRISPR-CAS9 systemを用いたNMD制御因子の同定を可能とする。 2) CFTR W1278X ノックインマウスについて、表現型が生後6~9週での致死であることを確認している。本年度は、CFTR W1278Xヘテロマウスを維持し、自然交配により実験に必要なホモ個体匹数を確保を目指した。しかし、自然交配によって、出産したものの、子食いにより個体が得られない事例が多く、十分な個体が得られていない。これについては、飼育環境をふくめ、改善を進める必要がある。ホモ個体が得られない中、研究を進展させるため、培養細胞を用いたCFTR機能評価系の構築を行うことを決定し、Flp-In systemのヒトCFTR野生型とW1282X ベクターを構築した。これに、イントロンを加えることで、NMD感受性の変異CFTR発現ベクターとする予定である。これらを用い、NMD抑制とリードスルーの組み合わせによる、遺伝性疾患治療の有用性の検証を進めるべく研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症により、教育業務負担が増えたことに加え、動物実験センターの使用に制限が生じた。さらに、実験補助員の応募がなく研究遂行に支障が生じ、計画が遅れている。また、マウスの子食いのため、ホモ個体が得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1)NMD活性ハイスループットスクリーニングレポーターシステム樹立について、昨年度作成したHibit-GFP型のNMD感受性レポーターを安定発現する細胞株を樹立する。その後、CRISPR-CAS9 systemによる遺伝子ノックアウトスクリーニングを行い、新たなNMD制御因子の同定に挑戦する。 2) CFTR W1278Xヘテロマウスを交配により増やし、自然交配により実験に必要なホモ個体匹数を確保する。生後14日から21日後にマウス尾を用いたgenotypingを行う。W1278Xホモマウスについて、生後28日目をめどに、各種臓器における変異CFTRmRNAの発現を野生型と比較する。十分な個体が得られた場合、気道上皮細胞、腸上皮細胞を取得し、初代倍用系でのNMD阻害剤やリードスルー剤のあり・なし条件下でのCFTR活性測定を行い、NMD阻害によるCFTRナンセンス変異のフェノタイプ緩和を検証する。繁殖が上手くいっていない現状を踏まえ、バックアッププランとして、293細胞にFlp-In systemのヒトCFTR野生型とW1282X を発現させ、NMD抑制とリードスルーの組み合わせによる、遺伝性疾患治療の有用性の検証を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症により、教育業務負担が増えたことに加え、動物実験センターの使用に制限が生じた。さらに、実験補助員の応募がなく研究遂行に支障が生じ、計画が遅れたため。また、マウスの子食いのため、ホモ個体が得られず、計画に変更を加える必要が生じたため。 次年度使用額により以下の解析を行う予定としている。 1)NMD活性ハイスループットスクリーニングレポーターシステム樹立について、昨年度作成したHibit-GFP型のNMD感受性レポーターを安定発現する細胞株を樹立する。その後、CRISPR-CAS9 systemによる遺伝子ノックアウトスクリーニングを行い、新たなNMD制御因子の同定に挑戦する。 2) CFTR W1278Xヘテロマウスを交配により増やし、自然交配により実験に必要なホモ個体匹数を確保する。生後14日から21日後にマウス尾を用いたgenotypingを行う。W1278Xホモマウスについて、生後28日目をめどに、各種臓器における変異CFTRmRNAの発現を野生型と比較する。十分な個体が得られた場合、気道上皮細胞、腸上皮細胞を取得し、初代倍用系でのNMD阻害剤やリードスルー剤のあり・なし条件下でのCFTR活性測定を行い、NMD阻害によるCFTRナンセンス変異のフェノタイプ緩和を検証する。繁殖が上手くいっていない現状を踏まえ、バックアッププランとして、培養細胞を用いた解析も行う。
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