研究課題/領域番号 |
19K22636
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
中尾 篤人 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80317445)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | アレルギー / 概日時計 / マスト細胞 / 蕁麻疹 / アルルギー / 食事 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らはマスト細胞の概日時計(時計遺伝子Clock)がIgE受容体発現を制御することによってI型アレルギー反応(IgE刺激によるマスト細胞の脱顆粒反応)の強さを時間依存的にコントロールしていることを見出した。一方、肝臓のような末梢細胞の概日時計は食事による影響を強く受けそのリズムを変化させる。マスト細胞のような免疫細胞の概日時計リズムが食事の影響を受けるかどうかは未だ明らかではない。本研究では「食事のタイミングがマスト細胞の概日時計リズムを変化させ、I型アレルギー反応の強さや時間依存性に影響を与える」という仮説を検証する特に現代社会に特徴的な夜間にシフトした食生活のI型アレルギー反応への影響を解析する。
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研究成果の概要 |
本研究は食事摂取のタイミングがマスト細胞の概日時計リズムに影響を与え、I型アレルギー反応の強さや時間依存性に影響を与えることを明らかにした。活動期のみ食事を与えたマウスでは、マスト細胞の概日時計リズムは通常パターンを示したが、休息期のみ食事を与えたマウスではそのリズムが消失していた。さらに、活動期のみ食事を与えたマウスでは、PCA反応に概日リズムを認めたが、休息期にのみ食事を与えたマウスではそのリズムが消失していた。この知見は学術雑誌に掲載された。さらにこれらのデータを基盤としてマスト細胞の概日時計、食事摂取のタイミング、PCA反応との関係を明らかにするための数理モデルを作成中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
花粉症や喘息、じんましんなどのアレルギー疾患で、「食事摂取のタイミング」がアレルギー症状に影響するとはこれまで誰も想像していなかった。本研究は食事摂取のタイミングがアレルギー反応の強さに影響することをマウスを用いた実験で世界で初めて明らかにした。活動期だけ食事を摂取したマウスにじんましんのモデル反応を誘導すると、休息期に強く活動期に弱い反応がみられるが、休息期だけ食事を摂取させたマウスでは休息期も活動期も同程度の強い反応がみられた。この知見から、薬を増やさなくても、食事の時間を整えるだけで、アレルギー症状を改善することが可能なことが示唆された。
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