研究課題/領域番号 |
19K22669
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
桑原 強 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30566906)
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研究分担者 |
吉崎 尚良 金沢医科大学, 医学部, 講師 (00443490)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 腸管神経系 / ヒルシュスプルング病 / 腸管神経移植 / 腸管神経堤由来細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では腸管神経移植の方法として、iPS細胞から多様に分化させた混合細胞シートを定着促進因子と共に移植する方法の開発を提案する。我々はこれまで、マウス胎仔腸管発生の研究から特定の細胞外マトリクスの組み合わせが腸管神経堤細胞の遊走制御に重要な役割を持つこと、さらに腸管神経の発達には複数の分化段階の腸管神経堤由来細胞が協調して働くことを明らかにしている。これらの知見を発展させ、移植補助剤としての細胞外マトリクス混合液と、分化、未分化の腸管神経堤細胞を混合した移植細胞シートの開発、そして腸管神経堤細胞の遊走を抑制する細胞外マトリクス除去を組み込んだ移植術式の開発を行う。
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研究成果の概要 |
ヒルシュスプルング病は、腸管神経系の一般的な疾患で、出生時から存在し、その発生率は1/5,000生誕とされている。治療法は患部の外科的切除が行われ、特に長大型や広範囲型の症例では、長期予後が散発的に不良となる。細胞療法は、神経前駆細胞の供給源として、欠損または異常な腸管神経細胞を置換することにより、神経腸管疾患の治療オプションとなる可能性がある。本研究では、in vivo移植モデルを用いて、コラゲナーゼとフィブロネクチンで処理することにより、移植した腸管神経堤細胞(ENCC)の大腸内腔への浸潤を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒルシュスプルング病の治療法は外科的処置が行われるが、25%の患者で便失禁の合併症があり、患者が多感な小児であることから術後のQOLが問題となっている(Gosemann JH. et al. Eur J Pediatr Surg 2013)。HSCRを発症したすべての児童が健康で文化的な生活を送れるようにするため、外科的処置以外の再生医療や薬剤治療法の開発が望まれている。我々の研究成果は、無神経節結腸の状態を改善する細胞治療の可能性を引き上げることにつながる。
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