研究課題/領域番号 |
19K22674
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岩瀬 明 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20362246)
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研究分担者 |
平川 隆史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (80375534)
中村 智子 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40732681)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 子宮内膜症 / TCF21 / 線維化 / 局所炎症 / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜症は子宮内膜類似組織が子宮外に認められ、炎症や線維化等をきたし、月経痛、卵巣癌等の原因となる。逆流子宮内膜細胞移植説が提唱されているが、病因病態の詳細は不明である。本研究では、子宮内膜症の本態は異所性に生着した内膜細胞の筋線維芽細胞変化であると捉え、TCF21陽性セルリネッジが筋線維芽細胞変化、癌関連遺伝子変異にも関与するとする仮説を証明するため、in vivo/in vitro実験および、in vivoでTCF21遺伝子を導入する新しいマウスモデルを用い、TCF21セルリネッジにおける筋線維芽細胞変化とその機序、組織線維化とDNA損傷、癌関連遺伝子変異の関連について探索する。
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研究成果の概要 |
子宮内膜症間質細胞におけるTCF21発現は、内膜症の発症・進展に伴い増加することが臨床検体を用いた解析により示された。免疫染色およびインビトロの解析ではTCF21依存性のペリオスチン産生およびαSMA発現促進経路が存在することが示された。免疫蛍光法では、TCF21, TGFβ, IL-4, IL-13が共局在しており、インビトロの系においてIL-4添加がTGFβ誘導性かつTCF21依存性のペリオスチン産生およびαSMA発現を促進することが示された。以上より、子宮内膜症の局所線維化において、TCF21陽性間質細胞が局所炎症にも修飾を受け関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮内膜症は、疼痛、不妊症、がん発生母地となる重要な疾患である。局所炎症と線維化が重要な病態のひとつであるが、その分子メカニズムについては詳細が明らかではなかった。今回の研究で、TCF21陽性間質細胞が局所の線維化に関与すること、TCF21発現抑制により実験的には線維化が抑制されることが示され、TCF21が子宮内膜症の新たな治療ターゲットとなる可能性があるといえる。
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