研究課題/領域番号 |
19K22675
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
江藤 浩之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50286986)
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研究分担者 |
大鳥 精司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40361430)
折田 純久 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (60638310)
志賀 康浩 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (90568669)
曽根 正光 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (90599771)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 人工血小板 / iPS細胞 / 骨癒合 / 骨折治療 / 血小板 / HLA |
研究開始時の研究の概要 |
難治性の複雑骨折などでは、早期のADL・QOL回復のため、迅速な骨癒合の実現が臨床上の大きな課題となっている。申請者のグループは血小板を多く含む血漿成分を患部へ局所注入することで骨融合促進が可能なことを動物モデルで確認した。一方、申請者らは、iPS細胞技術を用いてヒト白血球抗原(HLA)を欠損させ,自己免疫反応の誘発を抑制したユニバーサルタイプの人工血小板を大量に生産する手法を確立した。そこで本研究では、血小板による骨修復の根源的メカニズムに基づくユニバーサルタイプの機能拡張型人工血小板を作製し、動物モデルなどを用いて、安全性の高い画期的な骨癒合技術を開発することを目指す。
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研究成果の概要 |
多血小板血漿 (Platelet Rich Plasma: PRP)の投与に伴う骨癒合の促進効果は明らかであるが、実臨床における自己血由来PRPの安定調達は困難であり,治療効果の個人差も大きい。本研究は,すでに大量生産法および安全性の確立されたiPS細胞由人工巨核球および血小板が複数の骨癒合因子を含有し,ラット腰椎人工骨移植モデルにおいて骨癒合促進効果を示すことを明らかにした。さらに皮膚を含む組織修復に関与する複数の成長因子を人為的に発現する人工巨核球を介した機能拡張型血小板の作出にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊椎固定術は、難治性複雑骨折や腰椎変性疾患に対して行われ、早期のADL(日常生活動作)回復に寄与するための迅速な骨癒合の実現が必須である。iPS細胞由来血小板製剤の大量製造技術を応用し、均一性の担保された大量生産可能な血小板製剤の骨癒合への応用が確認されたことから、高齢者や外傷患者などのPRPの安定調達が困難な症例に有効と期待できる。さらに遺伝子改変した巨核球細胞株をいわば生産工場、人工血小板をキャリアとして生理活性物質を患部に輸送するための新たなドラッグデリバリーシステムが確立できた。
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