研究課題/領域番号 |
19K22717
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
谷本 幸太郎 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20322240)
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研究分担者 |
國松 亮 広島大学, 病院(歯), 講師 (40580915)
加藤 功一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50283875)
廣瀬 尚人 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (50611935)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | バイオミネラリゼーション / エナメル質 / エナメル蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
人体で最も硬い組織であるエナメル質の形成時には、エナメル芽細胞が産生する数種類のエナメル蛋白により、高度なハイドロキシアパタイト(HAP)結晶誘導制御(バイオミネラリゼーション)が行われる。本研究の目的は、歯の形成過程で出現する歯胚の内部環境を模倣することにより、エナメル質形成プロセスを再現し、これまで達成不可能であった臨床に応用できる十分なサイズのHAP結晶を生体内で構築する技術を開発することである。 そのために、研究期間内に以下のことを明らかにする。 1)ナノスフィア形成および分解反応液の至適条件 2)バイオミネラリゼーションにおけるナノスフィア分解の効果 3)生体内に適用した場合の有効性
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研究成果の概要 |
エナメル蛋白アメロゲニンを用いた結晶誘導をさらに継続できるかどうかを検証するために、HAP結晶誘導の阻害の原因と考えられる残留蛋白をMMP-20, KLK-4を用いて分解することとした。ナノスフィアを構成するrh174には、MMP-20による複数の分解箇所があり、分解により大小のフラグメントが形成される。そのうち、分解されないC-terminalドメインを含むフラグメントは成長中のHAP表面に残存するが、さらにKLK-4を作用させることにより、更なる分解が生じることが本実験により明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
初期う蝕や軽度のエナメル質形成不全に対して、生体のエナメル質形成過程を模した人為的なバイオミネラリゼーションを生じさせることにより、修復治療を達成することさせることが本研究の最終目標である。本研究では、持続的な結晶成長の阻害となる結晶表面の残存蛋白を分解酵素により除去し、新たな結晶誘導を生じさせるための分解条件を明らかにした。完全分解には2種類の酵素が必要であることが示されたことに学術的意義があると思われる。
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