研究課題/領域番号 |
19K22725
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
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研究分担者 |
自見 英治郎 九州大学, 歯学研究院, 教授 (40276598)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | TGF-bファミリー / 転写共役因子 / ノックアウトマウス / 上皮細胞 / 歯 / 分化 / 細胞内シグナル / 大腸 / エナメル質 / 石灰化 / TGF-b / Smad / 毛 / 間葉系細胞 / シグナル伝達 |
研究開始時の研究の概要 |
歯や毛は、上皮細胞と呼ばれる細胞群と間葉系細胞と呼ばれる2種類の細胞群が、互いに信号を交換しながら相互作用で形成される組織として知られる。しかし、未だにその信号を担う分子の詳細は不明な点が多く残されており、実験的に歯や毛を作り出すことは困難である。本研究では、遺伝子を改変したマウスの歯と毛の解析から、新しい細胞間の信号分子やその調節機構を解明し、発毛や脱毛に応用することを目指す。
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研究成果の概要 |
我々はTGF-beta ファミリーの成体における役割を解析するため、T細胞内シグナルに必須の転写共役因子Smad4を欠失した新しいコンディショナル・ノックアウトマウス(Smad4 cKO)を樹立した。Smad4を欠失後、約1カ月後の下顎切歯では、エナメル芽細胞を含む上皮細胞の形態異常や形成不全が認められた。さらに、歯の上皮細胞では、エナメル質の石灰化に重要なアルカリホスファターゼの発現や、鉄の沈着が著しく低下していた。これらの結果より、Smad4を介したTGF-betaファミリーのシグナルは、マウスの切歯における上皮細胞の正常な分化の機能発現に重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、上皮間葉相互作用に重要な成長因子であるTGF-betaファミリーの役割を、細胞内シグナルに必須の転写共役因子Smad4のコンディショナル・ノックアウトマウス(cKO)を樹立することで解析した。Smad4 cKOマウスは、歯の上皮細胞における分化や機能発現に異常を呈した。これらの結果は、TGF-betaファミリーのシグナルを人為的に操作することにより、歯の上皮細胞の分化や機能を制御できる可能性を示唆する。TGF-betaファミリーのシグナルは、歯以外の上皮細胞に於いても重要な役割を果たす可能性があり、今回樹立したSmad4 cKOが有用な情報を提供することが期待される。
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