研究課題/領域番号 |
19K22758
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉木 敬二 京都大学, 医学研究科, 教授 (90217175)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | DNA多型 / ジェネオロジー / 血縁鑑定 / 身元確認 / SNPs / ICS / DNA / 一塩基多型 |
研究開始時の研究の概要 |
米国では企業が持つ膨大なDNAデータベースから個人間の血縁関係を推定し家系図を作成するジェネオロジー(genealogy:系図学)が注目されている。しかし、実際の分析は2者間に限定されており、その分析精度も低いため、法医実務には使えない。本研究ではジェネオロジー理論をさらに発展させ、塩基配列情報から、人工知能の介在によって精度の高いハプロタイプを作成して比較することにより、身元不明者のスクリーニングと該当家族内の複数の捜索依頼者の血縁関係が判定できるシステムの構築を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では3人以上が関与する複雑な血縁関係についてその有無に関する尤度比を算出して、血縁関係の判断ができるソフトウェア(KinBN)を開発した。ソフトウェアKinBNはネット上に挙げており、無償でダウンロードして利用できる。また、濃度やDNA断片化を段階的に変化させた模擬試料を作成して、ゲノム情報がどの程度まで判読可能かをマイクロアレイでのSNPs解析法を用いて検討した結果、ある程度の変性があっても第3度血縁までは判断できることがわかった。また、誤判定がなければSNPs数を2万5000まで減少させても、第3度血縁まで確実に判定できることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行のDNA型検査に伴う遠縁や複数人の参照者を用いる複雑な血縁鑑定においても、多数ローカス間の連鎖を考慮した正確な尤度比が算出できるようになった。このため、在宅試料がなく異同識別検査では身元を確認できない大規模災害などで、多数の死亡者が出た際の身元確認に非常に有効となる。また、DNAマイクロアレイによるSNPsタイピングはある程度DNAが断片化した変性試料においても、血縁の判断が可能なことがわかった。このため、精度の高い血縁者検索法を提案することが可能となり、戦没者遺骨の身元確認のような変性した微量のDNA検査にも福音をもたらすと期待される。
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