研究課題/領域番号 |
19K22777
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都薬科大学 (2020) 和歌山県立医科大学 (2019) |
研究代表者 |
関根 勇一 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (20396295)
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研究分担者 |
久岡 朋子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00398463)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 育児放棄 / シナプス接着分子 / 養育行動 |
研究開始時の研究の概要 |
Lrrn4欠損マウスを用いて、養育行動、認知機能、社会性行動、活動性、不安行動などの異常の有無を種々の行動学的解析法により詳細に検討し、育児放棄モデルマウスとして確立する。さらに、Lrrn4遺伝子欠損マウスの養育行動障害と関連するシナプスや神経回路の形成異常の有無や脳内モノアミン・ホルモンの異常の有無を組織学的・生化学的・分子生物学的方法により検討する。また、Lrrn4細胞外領域と免疫グロブリンのFc領域との融合タンパク(Lrrn4-Fc)を作成し、Lrrn4-Fc結合細胞を同定後、発現クローニング法を用いてLrrn4のリガンドをクローニングし、Lrrn4のシグナル伝達経路を同定する。
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研究成果の概要 |
育児放棄の神経機構の解明のため、ヒトにおける育児放棄の原因を反映したモデルマウスの確立を目的として、Lrrn4遺伝子欠損雌マウスの養育行動解析を行った。その結果、仔運び行動の低下、及び新規環境における探索行動の亢進を示し、感覚機能には異常を認めなかった。これらの結果から、これまでの「仔の認識が障害された」育児放棄モデルマウスとは異なり、「仔への関心が低下した」育児放棄モデルマウスであることが示唆された。脳における組織学的解析と神経細胞におけるLrrn4結合分子の探索結果より、海馬神経回路におけるLrrn4のシグナル伝達が、正常な養育行動の維持に関連している可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シナプス接着分子であるLrrn4は海馬神経回路に高発現し、その遺伝子欠損が母マウスの仔に対する注意力を低下させ、養育行動低下を惹起している可能性が示唆された。今後、本研究をさらに発展させ、海馬神経回路におけるLrrn4のシグナル伝達異常が養育行動異常を惹き起こす分子メカニズムを解明していく。本研究により、ヒトでなぜ不適切な養育行動をするのかという親側の要因に関して最も重要と考えられる「意識を仔に向けるか否かの選択」の神経基盤に、シナプス接着分子の異常が関連していることが明らかとなり、神経基盤に基づいたヒトの育児放棄の予防や治療法の開発へつながる可能性が期待できる。
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