研究課題/領域番号 |
19K22780
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
高野 貴士 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (20462781)
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研究分担者 |
安井 文彦 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, プロジェクトリーダー (40399473)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 回帰発症 / 宿主因子 / 再活性化 / 単純ヘルペスウイルス1型 / 潜伏感染 / 宿主転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)は、潜伏感染と再活性化を繰り返して、宿主に回帰発症を誘発する。申請者らは、宿主転写因子がHSVゲノムに直接相互作用し、再活性化の指標であるLATの発現減少を引き起こす事を見いだした。本研究は、宿主転写因子との結合部位に変異を導入したLATをアデノ随伴ウイルスベクターによって外因的に発現させる事による再活性化の抑制効果を、培養細胞およびHSV感染マウスモデルで検証、解析して、再活性化阻害による継続的な回帰発症予防という新たな予防戦略の確立を目指す。そして、本研究で得られる結果は、HSV感染症の今後に大きな変革をもたらす事が期待できる研究である。
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研究成果の概要 |
単純ヘルペスウイルス(HSV)は、回帰発症した際に種々の疾患を引き起こすが、抗ヘルペスウイルス薬では回帰発症を予防出来ない。本研究では、回帰発症を誘発すると考えられる宿主因子がHSVのLAT遺伝子に直接相互作用し、LAT発現量を減少させるという知見の基、相互作用阻止による回帰発症予防法の基盤確立を目的とした。LAT遺伝子のdeletion mutantによる宿主因子との結合部位を同定した。その後、宿主因子との結合能を消失させたdecoy LATを構築した。decoy LATは宿主因子共存下でも安定的なLAT発現を示し、再活性化阻害効果が示唆された。これより、回帰発症予防の可能性が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、これまでの発想とは異なる方法で、今まで困難であった単純ヘルペスウイルス感染症を予防出来る可能性を示した。従来、感染症対策は病原体を消滅させる事を目的としていたが、本研究成果ではウイルスを潜伏させる事で予防を可能にする。さらに、ウイルス因子を標的にしているため、耐性ウイルスの出現も回避できる可能性がある。また、全世界に感染者が多数いる事から、本研究成果による発症予防で得られる感染者の心理的・身体的負担の軽減効果、治療に使われる経済的負担の軽減効果は非常に大きいと想定出来る。
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