研究課題/領域番号 |
19K22809
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
森山 英樹 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10438111)
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研究分担者 |
前島 洋 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (60314746)
亀岡 正典 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60281838)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 運動神経の良さ / 協調性 / 遺伝要因 / 環境要因 |
研究開始時の研究の概要 |
運動に必要な能力には、身体能力と協調性能力がある。前者が生まれ持った素質である遺伝要因の影響を大きく受ける一方で、一般に「運動神経の良さ」とよばれる後者は環境により培われる能力とされてきた。先行研究と予備実験の結果を踏まえると、これまでの運動能力の概念とは異なり、「運動神経の良さ」には環境要因のみならず、遺伝要因も関与している可能性が出てきた。そこで、本研究では、協調性を司る遺伝子を同定するとともに、運動経験を積むことの協調性への影響を調べることで、いわゆる「運動神経の良さ」を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、いわゆる「運動神経の良さ」の遺伝要因と環境要因の関与を明らかにすることを目的とした。協調能力の優れるあるいは劣るマウス同士を交配させる選抜交配実験により、「運動神経の良さ」が遺伝することを実証した。網羅的解析により、協調能力を司る遺伝子の同定を試みた結果、小脳と大脳皮質に責任遺伝子の候補遺伝子を見出した。遺伝子導入実験により責任遺伝子の機能解析を行い、小脳における責任遺伝子が協調能力に関与することが明らかになった。また、エンリッチ環境での飼育実験結果から、協調能力の向上と「運動神経の良さ」の責任遺伝子の発現に環境要因も関与することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
いわゆる「運動神経の良さ」は、運動経験など環境により培われる能力とされてきた。本研究により、これまで後天的に備わると考えられてきた「運動神経の良さ」に遺伝要因が関与していることが初めて明らかになった。さらに本研究結果は、一般に広く使われている「運動神経の良さ」という事象を科学的に解明しようとする新しい学問領域の潮流を拓くものであり、スポーツ分野や医療分野への波及効果も期待できる。
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