研究課題/領域番号 |
19K22824
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 松本大学 |
研究代表者 |
河野 史倫 松本大学, 大学院 健康科学研究科, 准教授 (90346156)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 骨格筋 / エピジェネティクス / 運動 / 遺伝子応答 / ヒストン / ヒストンターンオーバー / ヒストン修飾 / H2B-GFP / 遺伝子転写 |
研究開始時の研究の概要 |
運動による筋活動の増加は、ヌクレオソームからヒストンを除去し再取り込みすることで再びヌクレオソームを形成する「ヒストンターンオーバー」を起こすことで遺伝子構造を変化させると考えられる。ヒストンターンオーバーにより遺伝子構造がリセットされ、転写活性が一定に保たれると考えられる。しかしながら、運動によるヒストンターンオーバーの促進は、直接的には観察できておらず、まだその確固たる存在を示すデータがない。そこで本研究は、ヒストンとGFPの融合タンパク質を発現するマウスを用いてヒストンターンオーバーを直接観察し、運動によって促進することを実証する。
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研究成果の概要 |
運動によって骨格筋に誘発されるヒストンターンオーバーを直接計測し実証することを目的として本研究を実施した。H2B-GFPマウスを用いて筋核におけるヌクレオソームへのGFP取り込みを調べた結果、トレッドミル走運動4週目において顕著に取り込みが増加することが分かった。ヒストンターンオーバーが活性化した4週目では、2週目に比べ単発の運動に対する遺伝子応答性が顕著に亢進することも明らかとなった。運動によるヒストンターンオーバーの活性化はH2A-H2B特異的シャペロンのひとつであるSPT16の増加を伴うことも分かった。以上の結果から、運動による骨格筋線維のヒストンターンオーバー活性化が証明された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
習慣的な運動は骨格筋においてヒストンターンオーバーを活性化するという新たな運動効果を見出した。ヒストンターンオーバーは遺伝子構造をオープンにするだけでなく、集積したヒストン修飾をリセットすることも想定される。運動には遺伝子基盤を変化させ、骨格筋の適応力そのものを改善する役割があることを一般社会に提唱できる。
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