研究課題/領域番号 |
19K22846
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
栗林 稔 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (50346235)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | フェイクコンテンツ / 生成AI / 画像識別器 / 敵対的サンプル / 敵対的生成ネットワーク / ディープフェイク / 敵対的攻撃 / 敵対的事例 / 改ざん検知 / ノイズ除去フィルタ / 真偽判定 / 畳み込みニューラルネットワーク / 深層学習 / 信号処理 / マルチメディアフォレンジクス |
研究開始時の研究の概要 |
マルチメディアコンテンツの真偽判定技術を実現させるため,本研究では「人工的に創造された画像」と「正常に撮影された画像」を分類する手法を開発する.人工的に創造される過程において生じる不自然な信号成分を検出して,分類精度を高めるために,画像データベースの画像に対してフェイク画像を作成し,それぞれのラベル付き教師データを準備して識別器に学習させる.また,敵対的に雑音を加えることで識別不能にする攻撃に対応するために,フィルタ操作による信号処理の影響を解析して,攻撃が行われたか否かを判定するシステムを開発する予定である.
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研究成果の概要 |
ある人物の顔領域を他の人物の顔との置き換えや表情を変更させて作成されるフェイクコンテンツと,敵対的生成ネットワークによって人工的に創作された画像や動画などを対象として,基本的な画像識別器の設計と評価を行った.学習時とテスト時で異なる手法で作成されたコンテンツにおいても高い識別精度を得られるように,領域単位での処理や色空間を変える手法への拡張法も提案した.また,画像識別器を誤認識させるために生成される敵対的ノイズの有無を判別する手法の開発を行った.元の画像識別器は変更せずに,前処理フィルタを設計し,90%を超える高い精度で識別できることを実験により確認できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
深層学習技術を用いれば,偽物とは簡単に判別できない画像や映像を生成することが可能となっており,悪用されることが懸念されている.特に,特定の人物を操った形でのコンテンツが精巧に作成され,社会的な影響を与えるような印象操作に使われる可能性も高まっている.本研究で開発した識別器は,そのような人工的に作成および加工編集されたコンテンツを機械的に判別するものであり,マルチメディアコンテンツに関連したセキュリティ技術として重要な役割を担うものと考えられる.本識別器を拡張させて更に精度を高める研究が広がることで,フェイク情報の流布を抑制できることが期待される.
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