研究課題/領域番号 |
19K22853
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
八代 尚 国立研究開発法人国立環境研究所, 地球システム領域, 主任研究員 (80451508)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高性能計算 / 気候変動予測 / 連成計算 / 並列計算 / モデルシミュレーション / 高性能計算アプリケーション / 数値シミュレーション / マルチスケール / 気候 / 超並列計算 |
研究開始時の研究の概要 |
今日のスーパーコンピュータは計算機をたくさん並べて並列に計算することによって省電力・高速化を達成している。しかし、数百年にわたる気候シミュレーションを高空間分解能で、かつ高速に計算するために、空間方向の領域分割を用いた並列化を行うと、どんなに計算機の並列規模をあげてもそれ以上高速化しない限界が訪れる。本研究は時間方向並列化の手法を用いることにより、この速度限界を打破する階層型気候シミュレーション基盤を構築することを目的とする。
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研究成果の概要 |
より精度の高い気候変動予測を実現することが期待される、高解像度気候シミュレーションの計算速度限界を打破するために、時間方向並列化の手法を用いた階層型気候計算基盤を構築することを目的に研究を行った。異なる2つの空間解像度を持つ大気モデルを連成実行するライブラリを活用し、時間方向並列化のための技術開発を行い、その有効性について明らかにした。研究の結果、より多数の計算機を用いた十分な高速化のためには、低解像度シミュレーションの高速化と高精度化が鍵であることを示し、その実現方法として高解像度計算結果と機械学習手法を用いたデータ駆動型モデルコンポーネントの構築について検討を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
より正確な将来の気候変動予測を行うことは喫緊の課題であり、気候モデルシミュレーションの不確実性の低減のためにはモデルの時空間的な高解像度化が必要不可欠である。特に粗視化による仮定を多く置いている全球50-100kmメッシュから10kmメッシュ以下での計算に移行することが重要である。一方で、近年のスーパーコンピュータは並列度を増加させることで性能と電力効率の両立を図っており、気候モデルが現状の並列化方法のみでそれに対応していては、今後どれだけ大規模な計算機が登場したとしても、高解像度気候計算の高速化は困難である。本研究はこの気候の計算科学が直面している一般性の高い問題を解決するものである。
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