研究課題/領域番号 |
19K22872
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 裕一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (40227947)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 注意 / 筋活動 / 注意分配・分割 / 注意による筋活動の変容 / 筋シナジー / ユーザインタフェース |
研究開始時の研究の概要 |
従来は脳活動でのみ直接的な計測が可能であった注意の状態を筋活動からも計測し,モデル化することを目的とする.そのために,運動生理学・神経生理学に基づいた「注意による筋活動の変容」の分析を行う.筋活動のタイミング,大きさ等の一般的な特徴に加え,反射(長潜時反射を含む),近接する筋の間の協働・拮抗作用,離れた筋の協調等を計測・分析する.さらに,「注意に起因する仮想的な力」を想定し,「筋活動の変容」が「注意に起因する仮想的な力」として結びつけられる可能性を探る.
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研究成果の概要 |
「注意」と「動作」との関係を分析し,「観測された動作」から「注意」を推定するための逆問題を解くための指針を得ることを目的として研究を進めた.「注意を払う動作」が最も顕著に現れるのが首周りであるため,「首周りの動作」を重点的に分析し,筋シナジー解析によって,頭部回旋運動中の筋活性が注意状態によらず一定の3成分により表現できること,また,注意状態による違いが筋シナジーの時間パターンに顕著に現れることが明らかになった.同様に,注意状態の違いが複数筋間の時間周波数的な関係としても観測できることがわかった.さらに,筋活動の分析に用いる筋シナジーが比較的安定に現れることも検証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
注意の状態が動作中の筋協調の発現やその時間的変化に顕著に現れることが確認できた.これらは注意に対する(残存)能力や個人的な特性を測るために筋活動を利用する具体的な方法を提案する新しい知見ととなっている.さらに,「注意を払う動作」が行われていることを別の人が知覚するための,動作の伝達方法やその性能について設計や調査を行った.これらの将来的な応用として,注意状態やその能力の推定があげられるが,それだけでなく,見守りなどへの応用の可能性について確認することができた.
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