研究課題/領域番号 |
19K22882
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
柴田 史久 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80314425)
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研究分担者 |
木村 朝子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20324832)
田村 秀行 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (10367998)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 光学シースルー / 複合現実感 / 影表現 / 錯覚 / 透明物体 |
研究開始時の研究の概要 |
光学シースルー(Optical See-Through; OST)型映像提示装置ではその原理上,光の加算しかできないため,現実の光景の光を減衰させないとできないキャストシャドウを表現することが難しい.外光を減衰させる液晶シャッタ等の仕組みを組み合わせて影を表現する手法が検討されているが,追加の減光装置が必要で入射光量の減衰などの課題がある. OST型の映像提示装置において減光機序に依らずにキャストシャドウを提示する試みとして,錯視を利用した手法の確立に挑戦する.具体的には,人間の錯覚を利用し,周辺の光量を加算することによって影領域の光量が減衰したかのように知覚させるという手法について検討する.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,光学シースルー(OST)型映像提示装置において仮想物体の影(キャストシャドウ)を提示する技術の実現である.OST方式ではその原理上,現実の光景の光を減衰させないと実現できないキャストシャドウを表現することが難しい.そこで本研究では,人間の明るさ知覚特性を利用して仮想物体の影を表現する手法を提案した.さらにOST型の映像提示装置において,仮想の透明物体を如何にして表現するかという新たな課題に取り組んだ.本研究で得られた知見の応用先として,自動車のヘッドアップディスプレイでの情報提示を想定し,周辺車両によって生じる不可視領域を,隠消現実感技術を用いて可視化する取り組みも行った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
OST方式における従来のキャストシャドウの表現手法は入射光量が減衰する,装置が複雑化する,電力消費が増大するなどの課題を抱えていた.一方,本研究の提案手法は,光を加算することによって光量が減衰したかのように知覚させるという逆転の発想に基づく意欲的な試みであり,これによってキャストシャドウを表現できれば,仮想物体の位置を正確に示すこと可能となる.位置・姿勢推定精度の低さに起因する仮想物体位置の不正確さを感じにくくさせることや,キャストシャドウの色を変色させて仮想物体の透明感を表現するなど,様々なAR/MR応用分野において活用可能な技術へと展開でき社会的な意義も大きい.
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