研究課題/領域番号 |
19K22900
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
北城 圭一 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 教授 (70302601)
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研究分担者 |
座間 拓郎 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (30825469)
末谷 大道 大分大学, 理工学部, 教授 (40507167)
河西 哲子 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (50241427)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | ノイズ / 脳波 / コンシステンシー / 発達障害 / 視覚的注意 / 自閉症スペクトラム障害 / 注意欠陥・多動性障害 / ノイズ誘起 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはヒトの脳波レベルの神経活動が同一の視覚ノイズ刺激の繰り返し入力に対してコンシステンシー特性を示し、試行間同期がみられることを報告した。脳波コンシステンシーは視覚的な注意の基盤メカニズムとなりえると考える。本研究では視覚機能の個人特性に関連した脳波の非線形ダイナミクスを抽出する視覚ノイズ誘起手法を最適化し、ノイズ誘起ダイナミクスと発達障害特性の関連を解明することを目的とする。特に、注意機能不全がある自閉症スペクトラム障害と注意欠陥・多動性障害の傾向をターゲットとし、非線形ダイナミクスの変容や脳活動の不安定性の観点から発達障害の病態の本質の理解を分野横断的な観点で目指す。
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研究成果の概要 |
繰り返し入力される視覚ノイズで誘起される脳波応答のコンシステンシー特性と発達障害特性との関連を調べる実験パラダイムの構築をし、脳波計測実験とデータ解析を行った。視覚刺激実験を二重課題することで、被験者は視覚刺激に注意を向け続け、覚醒レベルも比較的一定に保つことができたと考えられる。健常者を対象に質問紙調査した自閉症スペクラム障害(ASD)傾向、及び、注意欠陥・多動性障害(ADHD)傾向とノイズ誘起脳波との関連について探索的に解析を行った。これらの心理的な個人特性とノイズ誘起脳波の関連解明にはさらにデータが必要だが、両者の関係を精度高く計測できる実験パラダイムの確立に成功したと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、視覚ノイズ誘起脳波により、ASD、ADHD傾向などの発達障害傾向を評価する新規な実験解析手法の確立を目指した。これまでの我々の実験パラダイムでは注意や覚醒レベルなどの影響要因をコントロールするのが難しかったが、それらのコントロールが可能な実験パラダイムの構築に成功した。発達障害特性の、比較的簡便な脳波計測とデータ解析による理解や評価が可能となり、学術的、社会的にも意義がある。
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