研究課題/領域番号 |
19K22968
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
入江 崇 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (70419498)
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研究分担者 |
福士 雅也 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (50313515)
坂口 剛正 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70196070)
酒井 宏治 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (70515535)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ウイルスベクター / センダイウイルス / ベクター除去 / ウイルス干渉 / 持続感染 |
研究開始時の研究の概要 |
センダイウイルスは、ヒトに病原性、遺伝毒性を持たず、蓄積された基礎研究成果に基づいた様々な性能改変が可能であり、iPS細胞作製用ウイルスベクターとしても広く利用されている。本研究では、我々の保有する様々なSeV株、変異クローン、組換え変異体などを基に、他のウイルス増殖に対して単独または相互干渉作用を示すウイルスを探索し、干渉性能をレポーターウイルスなどを作成して詳細に評価するとともに、ベクターの半生化や性能の改良を行う。これらの検討は、当初は培養細胞系を中心に行うが、マウス実験系での評価も行う。
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研究成果の概要 |
これまでに生体温度での増殖性を喪失した持続感染性センダイウイルス(SeV)は樹立されているが、今回生体温度での増殖性を保持した持続感染性SeVの獲得を試み、これを得ることに成功した。このウイルスは、神経細胞を含む様々な培養細胞で容易に持続感染が成立した。このウイルスの持続感染責任変異を同定するとともに、持続感染成立に宿主のリサイクリングエンドソーム系が関与していることを見出した。また、これらの持続感染性ウイルスが野生型ウイルスに対する干渉作用を持つことを見出した。このウイルスの干渉作用を応用した、簡便で効率的な新規ウイルスベクター除去技術の開発を目的として研究を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、iPS細胞関連研究の進展やゲノム編集技術の急速な普及などにより、細胞や個体へのより安全かつ効率的な遺伝子導入技術の必要性が益々高まってきている。この目的のために、ウイルスの感染能力を利用して能動的に遺伝子を細胞内に導入、発現させる様々なウイルス由来ベクターが開発され、広く利用されてきた。ウイルスベクターでは、導入遺伝子の一過性及び持続性発現の選択や、発現のON/OFFなども一部で可能ではあるが、本研究成果はさらに任意の時点で遺伝子発現を停止させ、さらに細胞、個体内から導入したウイルスベクターを完全に除去することを可能とする新規ウイルスベクター制御技術の開発につながるものである。
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