研究課題/領域番号 |
19K22982
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
勝見 英正 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (30434666)
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研究分担者 |
山本 昌 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00166779)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 薬学 / ドラッグデリバリーシステム / ターゲティング / 腎臓 / アミノ酸 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アミノ酸クラスターの腎臓移行機構や腎臓移行に寄与する分子構造を体内動態の観点から系統的に解析することで新しい腎臓標的化ドラッグデリバリーシステム (DDS) を確立する。さらにこの独自の腎臓標的化技術を活かして、核医学診断・治療用ラジオアイソトープ (RI) 及び分子標的薬を同時に腎臓へ送達可能なハイブリッド型腎臓標的化ナノキャリアを用いた腎細胞癌診断・治療法を開発し、腎細胞癌の克服を目指す。本研究は独創性の高い腎臓標的化DDSを提供できる可能性が高く、開発が難しい腎臓標的化 DDS 及び腎細胞癌の診断・治療に大きく貢献する研究と位置付けられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、アミノ酸ポリマーをコアとするセリン修飾高分子(アミノ酸クラスター)を新しい腎臓標的化分子として用いた腎臓標的型ドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発するとともに、治療が困難とされる腎細胞癌の新規診断・治療法の構築を試みた。マウス静脈内投与後の111In標識アミノ酸クラスターは急速に腎臓中へ移行した。また、腎臓以外の臓器への分布はほとんど見られず、腎臓選択性に優れた体内動態を示した。SPECT/CTによる臓器分布イメージングにおいても、腎臓選択的な体内動態が確認された。治療用放射性核種などを搭載したアミノ酸クラスターは腎細胞癌モデルマウスにおいて、腎臓中の癌増殖を顕著に抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎細胞癌の治療効率が低い要因として、腎臓へ薬物が分布しにくいこと、あるいは薬物の腎臓選択性が低いことなどが挙げられることから、腎臓へ効率良く薬物を送達する腎臓指向型ドラッグデリバリーシステム (DDS) の開発が強く望まれる。本研究では、イメージング用・治療用放射性核種などを効率良く腎臓へ送達可能な薬物キャリアを開発することに成功した。これらの知見は腎細胞癌診断・治療法の開発に対して有用な情報を提供するものであると考える。
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