研究課題/領域番号 |
19K22984
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
水野 理介 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (30273080)
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研究分担者 |
向田 昌司 岡山理科大学, 獣医学部, 助教 (80824797)
小野 伸幸 長野工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (60214186)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | リンパ管 / 平滑筋 / アミロイドベータ / 認知症 / Glymphatic pathway / アミロイド ベータ / Rho kinase / 食塩 / リンパ循環 / Glymphatic |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー型認知症の原因物質であるアミロイドβ(Ab)の脳脊髄液を介する 自浄・除去作用の減弱がその病態に関与することが示唆されている。脳脊髄液の一部は、頭頸部リンパ系を介して回収されることが知られているが、脳脊髄液-リンパ系輸送に対するAbの作用に関するエビデンスは皆無である。本研究は、頸部リンパ輸送系に対するAbの作用解明に挑戦し、そのメカニズムを基盤としたリンパ循環改善方法によって認知症治療を萌芽する研究を実施することである。本研究では、集合リンパ 管の収縮制御機構に対するAbの作用についてex vivo実験を実施し、Abによる集合リンパ管収縮阻害効果をレスキューする手法を探索する。
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研究成果の概要 |
マウス・ラットの頸部リンパ管の走行を解剖学的に確認した。特にGlymphatic pathwayを形成する頸部深部リンパ管系(Deep Cervical Efferent Lymphatics: DCEL)の関係を明らかにした。DCELに対するアミロイドβ(Ab)1-40の用量反応を検討した結果、リンパ管自発性収縮の非可逆的障害を惹起することが判明した。L-NAME、アポシニン、アラキドン酸、プロプラノロール、Dooku-1およびグリベンクラミドは、Ab1-40によるリンパ管障害を改善しなかった。Ab1-40のDCEL自発性収縮は、リンパ管平滑筋に対する直接作用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先進国超高齢社会のトップランナーである本邦において、「健康寿命の延伸」を妨げる加齢神経変性疾患認知症の有病者人口は右肩上がりであり、当該疾患は医学的のみならず社会的にも解決しなければならない喫緊の課題である。近年、その原因物質であるアミロイドベータ(Ab)やタウタンパク質の脳脊髄液を介するクリアランス減弱がアルツハイマー型認知症の病態に関与することが示唆されている。本研究の学術的意義は、Abが、そのクリアランスの中心をなす頸部リンパ管系機能を抑制することを見出した事であり、また、社会的意義は、これらの機能解析が加齢神経変性疾患認知症の新規治療法の萌芽となる可能性を示唆している点である。
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