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『源氏物語』の表現世界に関する研究 ― 複合動詞の役割に注目して ―

研究課題

研究課題/領域番号 19K23054
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0102:文学、言語学およびその関連分野
研究機関早稲田大学

研究代表者

篭尾 知佳  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (10843881)

研究期間 (年度) 2019-08-30 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード源氏物語 / 長編物語の手法 / 源氏物語の複合動詞の役割 / 鍵語 / 中古文学 / 平安朝文学 / 日本古典文学 / 文学表現
研究開始時の研究の概要

『源氏物語』では複合語によって作中人物たちの心の機微や物語の情景が細やかに表現され、奥深い世界が構築されている。『源氏物語』の表現の豊かさは多彩な複合語によって支えられていると言える。従来の『源氏物語』の複合語に注目した表現の研究では、複合化した形容詞・形容動詞を取り上げるものが多く、複合動詞に注目したものは少ない。そこで、本研究では複合動詞が『源氏物語』の人物像や場面の構築にどのように働いているのかということを問題にし、複合動詞を通して『源氏物語』の表現世界を読み解くことを目的とする。

研究成果の概要

本研究では、源氏物語の長編化の方法を読み解くために複合動詞の役割を考えた。2019は源氏物語の「見る」がつく複合動詞を整理し、複合動詞「見はつ」が源氏物語の正編に偏在しており、正編では「見はつ」を頻出させて長い尺度で婚姻関係の持続と終結の問題を追究していることを分析した。2020は源氏物語の続編に偏在する複合動詞を調査した。源氏物語の続編には、最後のヒロイン浮舟の苦悩に満ちた思索に「~はつ」「~棄つ」「~やむ」等の語が集中する。浮舟物語は終結を表す複合動詞を畳みかけ、あらゆる葛藤と動揺の末に生き続けようとする浮舟の姿を描出し、いかなる結末も結末にならない重い課題を突きつけていることを分析した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

源氏物語は複合語を用い、人々の心の機微や人間模様を描いている。従来の源氏物語の複合語の研究は形容詞・形容動詞の複合語の用法に注目したものが多いが、本研究では、源氏物語の長編化の方法を読み解くために複合動詞の役割を分析したところに意義がある。2019は源氏物語に特に多い「見る」がつく複合動詞を整理し、物語正編に偏在する「見はつ」が婚姻関係の持続と終結の問題を追求するための鍵語であると分析した。2020は物語続編に偏在する複合動詞を整理し、続編では、最後のヒロイン浮舟の思索に終結を表す複合動詞を集中させ、葛藤と動揺の末に生き続けようとする浮舟の姿を通してオープンエンドの物語を描いていると分析した。

報告書

(3件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 手習巻・夢浮橋巻の浮舟をめぐる「~はつ」「棄つ」「やむ」― 物語をどう閉じるか ―2021

    • 著者名/発表者名
      篭尾知佳
    • 雑誌名

      古代中世文学論考

      巻: 43 ページ: 119-149

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『源氏物語』真木柱巻の「見はつ」― 夫婦関係の持続と終結をめぐって ―2020

    • 著者名/発表者名
      篭尾知佳
    • 雑誌名

      古代中世文学論考

      巻: 40 ページ: 28-56

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 査読あり

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公開日: 2019-09-03   更新日: 2022-01-27  

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