研究課題/領域番号 |
19K23079
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
片山 幹生 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 研究員 (50318739)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 中世演劇 / フランス演劇 / アラス / 中世 / 演劇 / フランス / 典礼劇 / 13世紀 / 中世フランス / ジョングルール / 共同体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、揺籃期のフランス語演劇の特徴とその形成と発展の過程を明らかにし、中世都市のコミュニティの中で演劇活動に託されていた役割について考察することを目的としている。13世紀のアラス及びその周辺地域出身の作家によって書かれた演劇的テクストを主な研究対象とし、テクストの言語学的および文体論的分析と写本のレイアウトなどのパラ・テクスト的要素に着目することで、中世フランス語演劇特有の書法の確立を確認し、演劇がこの時代の都市文化のなかで自律的なジャンルとなった経緯を示す。
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研究成果の概要 |
北フランスの都市的環境の中で形成され、発展してきたフランス語演劇の特性とその社会的機能を、この時期のアラスで制作・上演された演劇作品の分析を通して明らかにした。13世紀フランス語演劇は、アラスの都市共同体の中核を形成していたブルジョワたちと彼らの庇護のもと活動していたジョングルールという職業的芸人のもとで花開いた。研究では主にアダン・ド・ラ・アルの『葉陰の劇』のタイトルの多義性に着目し、この多義性を読み解くことによって作品の背景にある都市共同体のあり方と共同体における演劇作品創造の意義を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は13世紀のアラスで制作・上演された演劇作品を主なコーパスにしている。テクスト本文の分析のみならず、作品タイトルの表記、ト書き的記述などのパラ・テクスト的要素にも着目することによって中世フランスの都市文化のなかで演劇特有の書法の確立された過程を論証し、中世都市共同体における演劇テクスト創造の意義を、文献学研究成果を踏まえた読解によって考察したことに、本研究の学術的・社会的意義はある。
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