研究課題/領域番号 |
19K23100
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
周 怡杉 筑波大学, 芸術系, 研究員 (20849252)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | Acoustic Emission / 温度変化 / 壁画 / 模擬試験 / 信号解析 / アコースティック・エミッション / 非破壊計測 / 環境変化 / AE法 / 劣化予知 |
研究開始時の研究の概要 |
劣化が発生する前に予知し、事前の対策を講じることは文化遺産保存の理想像である。アコースティックエミッション(AE)は材料変形やき裂の成長や変化が発生する際に放出される弾性波である。本研究では、AE法を用いて、保管や活用に伴い発生する壁画の微細な変化を把握することで、劣化の予知とその兆候を診断する。現地実測と模擬試験を通して、壁画におけるAEの測定・解析手法を実用化する。環境変化に応じて発生する壁画の変化から着手し、劣化の発生につながるAEの特徴を捉える。それに基づき、壁画に適するAE法による劣化予知法を提案する。この研究により現状の文化遺産予防的保存システムを発展させる。
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研究成果の概要 |
AE(Acoustic Emission)技術は非破壊的に対象物内部の変化を捉えるため、文化遺産における劣化予知・診断手段として応用する可能性が示唆される。本研究は壁画試料のモニタリングを切り口として、文化遺産本体のモニタリング技術とするAE技術の適用性を高め、実際の応用における設備設置とデータ解析問題の解決の情報提供を目指す。本研究は環境温度だけを変量にして、壁画試料の変化のモニタリングをAE計測法で試み、その変化に応じて発生するAE信号の特徴解析を行った。多様な解析手法を結び付け、AE信号の特徴をより多角的に表現することを通し、実際の応用においてデータ解析手法の参考をあげる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
歴史に関わる情報を伝える貴重な資料かつ芸術品である壁画の多くは保存環境の制御が困難である石窟寺院か歴史的建造物で現地保管や活用されている。壁画の劣化は温度、湿度、塩類、生物、風雨などの保存環境の条件によって誘発され、構造や材質など壁画が内包する要素に従って進行する。劣化要因を解明し、それらを制御することで、劣化を未然に防ぐことは文化遺産の保存において理想とする予防的保存である。劣化進行を予知し早急に対策を講じられるシステムの構築においてAE技術は劣化予知・診断手段として期待された。本研究により壁画試料の温度変化に応じて発生するAE信号の特徴解析で得られた成果はAE技術の応用において参考となる。
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