研究課題/領域番号 |
19K23119
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
古手川 博一 京都外国語大学, 京都外国語大学ラテンアメリカ研究所, 客員研究員 (30852371)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アイデンティティ / 移民 / 考古遺産 / パブリック考古学 / シンボル化 / 情報共有 / デジタルツール / 移民社会 / 考古学情報の普及 / インターネット / バーチャル展覧会 / ジグソーパズル / SNS / ボードゲーム / 小冊子 / 空撮 / 三次元デジタルデータ / アンケート調査 / 発掘調査延期 / 新型コロナウイルス / パブリック考古学活動 / オンライン・リモート活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アイデンティティを喪失しつつある現代社会でパブリック考古学的手法を通じて、考古学的知識の現代社会への貢献方法を模索し実践する。現代世界は人々の移動が容易になりその結果発生した多くの移民社会では、日々の生活を送る土地と以前の習慣との繋がりがなく、アイデンティティ維持が難しい。しかし、新天地の住民と土地を繋ぐシンボルとして考古遺跡を利用し新たなアイデンティティ構築を試みる。住民の大半が移民で構成されるメキシコ・ベラクルス州のサン・イシドロ村の住民が、オルメカ文化の遺跡に立地する村でこの古代文化と密接なアイデンティティを再構築できれば、日本を含め様々な国々の類似した社会に応用可能と考える。
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研究成果の概要 |
異なる出身地を持つ移民で構成される集落では、アイデンティティの共有が難しく、それが原因となり各家庭や個人を結びつけて地域社会を発展させることを困難にしている。そこで、現在彼らが住んでいる土地に存在した古代文化の遺跡をシンボル化し、それを紐帯とした新たなアイデンティティの構築を促すことを目的として研究を実施した。その結果、戦略的には間違っていないが、その戦略が功を奏すにはさらに時間が必要であることが判明した。また、遺跡をシンボル化する過程において様々なデジタルツールの有効性が認められるが、対象地域によってはほとんど機能しないこともあり、それに変わるツールの模索が必要であることも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今日のグローバル化された社会は、様々な出自を持つ異なるアイデンティティを持った人々の集まりであると理解できる。その様な多様化した構成員を持つ社会が効果的に発展を続けるためには、構成員の協力が必要であり、その際に共通したアイデンティティが各構成員の結びつきを強固にすることができると考えられる。そこで、その土地の考古遺産をシンボル化することによって、その社会の構成員が共有することができる新たなアイデンティティを構築することを目指し、そのためにパブリック考古学的手法を採用し具体的に実践した。結果、この戦略を継続することによる将来的な有効性を示すことができたが、幾つかの解決すべき課題も見つかった。
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