研究課題/領域番号 |
19K23146
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
前田 星 北海道大学, 法学研究科, 協力研究員 (60844587)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 魔女裁判 / 刑事裁判 / 聖職者 / 刑法 / 神学 / 刑法史 / 近世ドイツ / 大学 |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、近代的な刑法が形成される過程にあたる16、17世紀のヨーロッパにおける、キリスト教神学や悪魔学といった宗教的な要素の刑法史上の意義を明らかにするものである。そのために神学者や聖職者に注目し、同時期の法学(者)との関係を明らかにする。ケルン大学の学位論文などから神学部教育における法学の位置づけや理解の程度を調べ、次に彼らのその後のキャリアを明らかにする。そして実際に彼らが刑法的な問題にぶつかるであろう場面(例:魔女裁判)で、彼らの法学的な理解がどの程度同時代の刑法学と比べて「正しい」のか、どの程度法学的な知識が利用されているのかを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ミヒャエル・シュタッパートとアントン・プレトリウスという二人の聖職者が魔女裁判について記述した史料を通じて、当時の聖職者たちがどれほど法学的な専門知を有しているのかを確認した。彼らは、少なくとも魔女裁判を批判する中では、刑事法的な専門的知識をほとんど利用していないように見える。このことがただちに当時の聖職者たちの法学的無知を示すわけではなく、法学的な議論を織り交ぜつつ魔女裁判を批判したタナーやシュペーの例もある。しかし、近世の聖職者たちの法学的な知の水準について、一定の示唆を与える研究となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、それまで等閑視されてきた、宗教的・神学的な知が近世における刑法(学)の発展にどのような意義を持っていたのかということを、その知の担い手たちに着目して明らかにしようという大きな研究の一環である。この研究が完成することにより、従来考えられていた刑法(学)の発展の像を大きく修正することができ、ひいては近代刑法(学)の評価にも関わると思料する。
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