研究課題/領域番号 |
19K23147
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山崎 皓介 北海道大学, 法学研究科, 助教 (40844668)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 違憲審査制 / 違憲判断の方法 / 違憲判断の遡及効限定 / 違憲判断の訴求制限 / 将来効 / 違憲判断の遡求制限 / 憲法 / 遡及効の制限 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、裁判所による違憲判断が判決日以前に生起した同種の事案に遡求することで社会的混乱が生じるという局面において、裁判所はそのような遡及効を限定することができるのか、できるとすればいかなる理論的根拠に基づくのかを明らかにしようとするものである。より具体的には、わが国に妥当する理論の構築を視野に入れつつ、アメリカ法学における将来効の理論的な基礎づけの試みに焦点を当てた比較法研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、違憲判断の遡及効限定――違憲判断の影響を過去の同種の事件に及ぼさないようにすること――の理論的基礎づけを探究するものである。本研究では、日本国憲法解釈論としての理論的基礎づけを最終目標としつつ、その足がかりとして、アメリカにおける将来効の基礎づけを探ることとし、特に、将来効の最大の提唱者であるとされるカードーゾ判事の見解に注目することとした。そこでは、カードーゾ判事のいわゆるプラグマティズム法学が、裁判における法形成作用を正面から認めており、それが立法的性質をもつ将来効と原理的に結びついているということを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
違憲判断の遡及効限定は、違憲判断に伴う社会的インパクトを抑制するものとして、違憲審査制の機能条件の一つとしてみることができる。その一方で、違憲判断の影響が及ばないとされた当事者からみれば、それは権利保障の否定に他ならない。遡及効限定の理論的基礎づけを問うことには、その法的根拠を明らかにすることにより、違憲審査制の健全化に資する一方で、同時に、その法的限界を明らかにすることにより、権利の実現・否定が恣意的に行われないよう規範的統制を及ぼすという意義がある。このような問いは、これまで憲法学においても、必ずしも十分に取り組まれてこなかったが、本研究ではこれに正面から取り組んでいる。
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