研究課題/領域番号 |
19K23148
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 成蹊大学 (2021) 東北大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
高畑 柊子 成蹊大学, 法学部, 講師 (00844929)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 適法性の原理 / 行政訴訟 / 取消訴訟 / フランス法 / 判決の実効性 / 公法学 / 行政法 / 取消判決 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の行政法学は、ドイツ法に由来する「法律による行政の原理」という基礎概念を用いて、立法権―行政権の関係を考察してきた。本研究は、立法権―行政権―裁判権を貫く原理として「適法性の原理」を鍛え上げてきたフランス法に着目し、その参照可能性を探究するものである。とりわけ、フランスの古典的「法律」概念と、行政が従うべき「法」としての「判決」との関係を、コンセイユ・デタおよび公法学説がいかに捉えてきたのか、第三共和制期(1875年~1940年)から近時までの議論の変遷をも含めて解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、フランス行政法における法律と判決の関係を解明することで、フランスの「適法性の原理」の内実をさらに明らかにすることを目指した。具体的には、判決をも行政の従うべき法と位置づけるという「法」の実質的理解によって、フランスの「適法性の原理」の貫徹が越権訴訟において試みられてきたこと、および、その背後にはあくまでも法律に淵源を求める立場がなお有力な見解として存在する一方で、行政法の法典化の文脈においては、コンセイユ・デタが形成した判例法を「既存の法」として整理しなおす傾向が強く、法典化と判例法形成の循環により非常にスピーディーな法の発展が実現していることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、取消訴訟の実効性を主観法的観点から担保しようとする伝統的な見解とは異なり、適法性を回復させるという客観法的観点からの試みがもうひとつの視座としてありうることを示したという点で、理論的意義を有する。 また、とりわけフランス都市計画法典に係る研究からは、法の解釈と定立の迅速な循環による法の発展の可能性がうかがえ、わが国の立法府・裁判所に対する有益な示唆を与えうる点で、社会的意義を有する。
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