研究課題/領域番号 |
19K23156
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村尾 太久 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (80849563)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | フランソワ・ジェニー / 科学学派 / 実証主義 / 法学方法論 / 法における擬制 / フランス民法典 / 科学的自由探究 / 法における擬制論 / フランス / 法理学 / 連帯主義 / 私法理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第一に、当時のフランスの私法学者の理論体系を分析し、第二に、各論者が用いる理論的基礎としての「科学(Science)」の語の意味をいくつかに分類した上で明らかにし、第三に、英独を中心に据えた法学方法論全体に示唆を与えることを到達点に据えて行う。より具体的な研究課題は、A)社会学を基礎とする方法論と自然法論を基礎とする方法論の分類、B)先の二つにおける「科学」の意味の分析と正当化過程としての妥当性の分析、C)20世紀後半から現代になされた評価の検討、である。
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研究成果の概要 |
20世紀初頭のフランスにおいて議論された私法領域における法解釈の方法について、フランソワ・ジェニーの法理論を中心に、法哲学の観点から検討・分析した。先行研究と異なるアプローチとして、①19世紀末以降にフランスで展開された科学哲学上の概念との関係、②20世紀初頭以降に形成される破毀院による判例法理や立法・法改正といった法実務との反省的関係、を軸に据えた。20世紀初頭のフランスにおいて「法」や「法学」についての方法的議論が、法実証主義対自然法論といった単純な対立図式を超える固有の背景を持つ点について、また、制定法主義の建前をとるフランスにおいて、法主体としての私法学者の役割について考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の考察対象であるフランソワ・ジェニーの法理論は、我が国の民法解釈の方法論として参照されることはあったものの、その独自の体系について理論的内実を明らかにする研究は少なかった。一般に科学学派として評されるジェニーの理論を、フランス哲学上の諸概念や実証主義と関係づけた上で整理したことには、学術的意義がある。また、法学者を含む法律家に、制定法(立法者)と法適用者たる裁判官との間に介在し、法解釈について幅のある役割を担う可能性を見出すことは、裁判官を法解釈主体として立法との対立関係を前提する法哲学上の議論を相対化する意義がある。
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