研究課題/領域番号 |
19K23224
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高畠 哲也 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 助教 (80846949)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非整数Brown運動 / 高頻度観測 / 観測誤差 / 確率ボラティリティ / 高頻度データ / 確率ボラティリティモデル / ラフボラティリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、対数資産価格の実現分散時系列データに基づく、資産価格のボラティリティ(価格変動の大きさを表す)変動の激しさに関する統計的仮説検定理論を構築することである。目的の達成に向け、高頻度自己相似定常Gauss時系列に観測誤差が加わった状況下での、(近似)尤度関数やスコア関数などの漸近挙動を明らかにする。また、非整数Ornstein-Uhlenbeck過程などの、非整数Brown運動で駆動されるエルゴード的確率微分方程式に対し、Hurst指数と拡散係数の推定と同時に、ドリフト項が含む未知定数を推定する手法の開発も並行して行っていく。
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研究成果の概要 |
対数実現分散時系列データから潜在変数である対数ボラティリティ過程の駆動ノイズが有すHurst指数とボラティリティを正確に推定するためには、非整数Brown運動の高頻度観測データが観測誤差を含む状況下での疑似尤度型推定量の漸近挙動の理論解析、そして推定量の漸近的な誤差分布の導出が必要である。本研究では、非整数Brown運動の高頻度観測データが観測誤差を含む状況下で尤度比の局所的な漸近挙動を解析し、観測誤差を含む状況下でのHurst指数とボラティリティの推定量の最適な収束レートと漸近分散の導出、そして漸近的な最適性を満たす推定量を構成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で行なった高頻度観測データからスケール則や観測誤差の構造を推定する手法の開発、特に最適な収束レートや漸近分散を満たす推定量の開発は幾つかの技術的困難によりこれまで未解決な問題であったため、本研究の学術的意義は大きいと考える。また上述したファイナンスの問題に限らず、計量経済学や工学などの分野で観測される実際のデータには、推定したい確率過程とは別の確率過程が観測誤差として含まれる状況がごく自然に生じるため、様々な分野への応用が今後期待できる。
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