研究課題/領域番号 |
19K23226
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
吉羽 要直 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (20848428)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 接合関数 / 裾従属性 / 非対称性 / ポートフォリオリスク / 誤方向リスク / 接合関数(コピュラ) / 裾依存性 / 金融リスク管理 / 接合分布関数 / 非対称t接合関数 |
研究開始時の研究の概要 |
2007~08年の国際金融危機を踏まえ、金融ポートフォリオのリスク管理では、様々なリスクファクターの依存関係、特に資産価格が急落するストレス時に資産価格変動の依存性が強まる現象の把握が求められるようになってきている。こうしたリスクファクターの依存関係については、近年、多変量接合関数を用いて捉える研究が進んでいる。本研究では、特に資産変動の上下での非対称な依存関係を捉える非対称t接合関数を静的・動的に用いて資産変動の依存関係を捉える手法を検討し、金融機関でのリスク管理や金融システム全体のリスク把握に応用可能な分析手法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
金融リスク管理では、多数の資産価格変動で下落方向への従属性が高まる現象について、よく用いられる正規接合関数に代えて変量間の裾での従属性の強いt接合関数が用いられることがある。しかし、t接合関数では価格変動の上下方向の従属性を対称に捉えてしまう。本研究では、変量間の裾での強い従属性を捉えるとともに上下での非対称性も捉えられる非対称t接合関数などを取り上げた。それらの接合関数の性質と統計的推定方法について『統計数理』誌、極値での従属性について『日本統計学会誌』で公表した。また、3資産ポートフォリオの市場リスクへの応用について国内外の多数の研究集会で報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金融ポートフォリオのリスク管理では、保有資産の価値が同時に下落することが大きなリスクであり、これを捉えられるような資産間の依存関係のモデリングが求められる。金融実務でよく用いられるモデリングは正規接合関数を用いたものであり、極端な同時下落や同時上昇を捉えられない。これに対し、実務では裾での依存性が強くなるt接合関数が用いられることがあるが、上昇方向よりも下落方向の依存性が強い現象は捉えられない。本研究は裾での依存性と非対称性を同時に捉えられる接合関数の構築や性質の理解を目指すもので、学術面でも実務面でも金融リスク管理での意義は大きい。
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