研究課題/領域番号 |
19K23232
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
蓮見 亮 武蔵大学, 経済学部, 教授 (90847526)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 動学的一般均衡モデル / マルコフスイッチング / 平均場ゲーム / マルコフ連鎖 / ヘテロジニアティ |
研究開始時の研究の概要 |
マクロ経済の政策分析に用いられるニューケインジアンモデルやDSGEモデルでは、計算可能性の担保のため、唯一の定常状態の存在や、代表的家計・企業のような強い仮定がおかれる。このような仮定をゆるめ、より現実に即したモデルの構築およびそれによる政策分析等を行う。 具体的な研究目的として、第1にマルコフ・スイッチングDSGEモデルを用いて米国の金融政策の状態を識別することで、政策課題に応えるとともに、その有用性を確認する。第2に代表的家計・企業の仮定をゆるめた連続時間のヘテロジニアス・エージェント動学的一般均衡モデルを構築し、従来のモデルで応えることのできない疑問に対し適切な答えを出せることを確認する。
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研究成果の概要 |
本研究では、第1に、マルコフ・スイッチングDSGEモデルを用いて、米国の金融政策について、70年代の高インフレーション期と80年代以降の低インフレーション期の間、さらには2020年以降の高インフレーション期との間でトレンド・インフレ率と金融政策ルールのパラメータのどちらがスイッチしたか、データから直接的に識別した。第2に、代表的家計の仮定をゆるめた連続時間のヘテロジニアス・エージェント動学的一般的均衡モデルを構築し、所得再分配制度の比較を行った。パラメータを米国経済を再現するようにキャリブレーションし、所得税控除とユニバーサル・ベーシック・インカムという2つの再分配政策を定量的に評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マクロ経済の政策分析に用いられるニューケインジアンDSGEモデルでは、計算可能性の担保のため、唯一の定常状態の存在や、代表的家計のような強い仮定がおかれる。このような仮定をゆるめ、より現実に即したモデルの構築およびそれによる政策分析等を行うことが本研究の目的である。マルコフ・スイッチングDSGEモデルを用いた第1の研究成果は、高インフレといった解決が容易でない政策課題が生じた場合にどのような金融政策で対処することが適切かの示唆を与えるものである。ヘテロジニアス・エージェントモデルを用いた第2の研究成果は、労働参加や社会厚生の観点から望ましい所得配分政策についての示唆を与えるものである。
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