研究課題/領域番号 |
19K23270
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
土田 拓 徳島大学, インスティトゥーショナル・リサーチ室, 准教授 (90842196)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 離農 / 在孫離農 / 個人生活史 / ライフヒストリー / 在村離農 / 生活史 / 離農家 / 限界集落 |
研究開始時の研究の概要 |
国内の中山間地域では、現在、後継者のいない高齢農家の離農が増加しつつある。しかし、離農に関する先行研究は、農家の人員構成や経営面積の変化を始めとする農業構造の分析、あるいは地域間の人口移動の分析を中心に進められてきており、増加する離農者が、集落の持続性に及ぼす、生活面での影響は明らかにされていない。そこで本研究では、北海道における離農者の生活史を通じて、①集落の成員としての権利・義務と離農者の関係《集落機能に及ぼす影響の検証》、②離農者個人にとって、集落で暮らすことにどのような意味があるのか《個人生活の持続性の検証》、を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、農山村の持続性に離農者がどのような影響を与えているか、個人生活史を通じてその一端を読み解こうとした。調査地である北海道紋別市では、農村部の持続性を考えて行く上で、酪農経営の継承可能性が重要な検討事項となる。しかしながら、フィールドワークを通じて見えてきたのは、自ら望んで積極的に在村離農を選択した高齢者の生活像であり、離農が家族酪農経営の継承に困難をもたらす一方で、当事者にとって肯定的側面も持っていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、農山村の持続性をめぐる議論において、農山村の多面的機能の維持や生きがいに繋がる高齢者農業は肯定的に評価されてきた。一方、農業を継続しないという選択が当事者にとってどのような意味を持っていたかについては、十分に調査研究されてきていない。当事者にとっての離農の肯定的側面も視野に入れ、生活の場としての現代農山村のあり方を多面的に検討していくことの重要性を「在村離農」の実態を通じて示唆した点に、本研究の意義を見出しうる。
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