研究課題/領域番号 |
19K23271
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
富田 文子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (80847939)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 障害者 / 一般就労 / 民間企業 / 雇用形態 / 賃金体系 |
研究開始時の研究の概要 |
障害者雇用促進法に基づく法定雇用率制度によって、雇用者数という量的な側面からは促進されてきた。しかし、就労する障害者の質的な側面、特に雇用形態と賃金体系からの検証は未だに行われていない。そこで、本研究では、障害者雇用率達成企業を対象にインタビュー調査を通じたケーススタディを実施する。主に、障害者を雇用する際の①原則的な雇用形態及び障害のない従業員との同異、②①に伴う賃金体系の具体的な構成、③昇進や昇格の有無、④障害者の雇用形態や賃金体系を決定づける背景(意識)とし、各企業の雇用形態や賃金体系の基本的構造を、企業規模の差異や特例子会社か否かにも焦点を当てながら把握・分析し、理論的考察を行う。
|
研究成果の概要 |
企業における障害者の雇用形態や賃金体系についてのインタビュー調査から分析した。また、新型コロナウイルス流行禍における障害者の雇用状況についてアンケート調査を実施し、その影響について考察した。障害者の雇用形態や賃金、労働時間数や企業規模、特例子会社か否か等の影響を受けていた。賃金は、最低賃金を基礎に、専門性、判断能力の有無、代替不可能性、企業全体の理解、業務習熟度によって構成されていると考えられた。新型コロナウイルスの流行は、特に採用計画の見送りなどの影響があったが、障害者雇用率制度は一定の抑止力として機能することがわかった。反面、障害者労働者は安定した雇用を望む傾向が強くなることも推察された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は2点ある。企業独自の考えに基づく障害者の雇用形態と賃金体系ではあるが、限定された職種・職務、かつ、生産性が見えにくい業種のため低賃金になりやすく、最低賃金を上回る生産性とその収益獲得は企業にとって非常に大きな課題であることを明らかにした。同時に、今後の障害者の雇用促進政策には、就労する障害者個人のライフステージに応じた生活設計のために賃金体系等の質的側面の改善が不可欠なことを示した。
|