研究課題/領域番号 |
19K23329
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
山中 翔 広島文化学園大学, 学芸学部, 助教 (50847332)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 闘技民主主義 / シャンタル・ムフ / ヘゲモニー / マルクス主義 / シティズンシップ教育 / 道徳教育 / 政治教育 / ラディカルデモクラシー / 市民性 / 教育の公共性 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、日本では18歳選挙権の導入や高校生の政治活動の一部解禁に伴い、政治や市民性のあり方を模索する動きが更なる高まりをみせている。この動向において、熟議アプローチにもとづくシティズンシップ教育は注目を集めてきた。教育学においてシャンタル・ムフの政治思想は、このアプローチを批判する際の理論的根拠として機能してきた。しかしながら、ムフの政治思想に対する理解は一面的であり、教育学におけるその射程が明らかになっているとはいえない。そこで本研究は、ムフの政治思想を全体的に把握し、その教育学における射程を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究ではベルギーの政治学者シャンタル・ムフの政治思想を全体的に把握し、その教育学における射程を検討した。そこで、ポスト・マルクス主義における主要概念―「言説(discurse)」、「節合(articulation)」や「ヘゲモニー(hegemony)」―といった概念に焦点を当てた。ポスト・マルクス主義からはあらゆる社会関係が言説によって構築されたものに過ぎないという立場が導かれる。本研究は以下の2点を明らかにした。(1)教育言説の構造を紐解くとともに、新たな言説の創出に貢献すること、(2)イデオロギー批判の方法論を示唆すること。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は以下の2点を明らかにした。ムフの政治思想(とりわけポスト・マルクス主義)は(1)教育言説の構造を紐解くとともに、新たな言説の創出に貢献すること、(2)教育におけるイデオロギー批判の方法論を示唆すること、が明らかになった。総括すると、ムフ政治思想(とりわけ前期)は言説の作用が主題となっており、これは教育学の体系や教育にはたらく政治性を読み解くうえで有効な視点となる。以上の点において、ムフ政治思想は教育学に貢献しうるのだが、その一方で経済の観点が弱く、この点において限界がある。
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